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  日誌編: No.111  
  2012.07.02  レオという犬と暮らした日々  
 
 
2001年11月、生後2ヶ月でわが家にやってきたオスのラブラドール・リトリーバー、わが家で飼う犬としては三代目でいままでの犬と同じレオと名付けた。今までの犬はわが家の犬ではあったが一代目は弟が、二代目は長男がもらってきたので私は特に思い入れもなく成り行きのまま庭の小屋で飼っていただけである。三代目のレオは私が還暦を迎えた年、これから一緒に暮らしながら年をとろうと飼うことにした犬で家の中で飼うことに決めた。来た直後はいわゆる子犬のようにコロコロした感じはなく、来て間もなく血便が出たので動物病院へ連れて行ったら鉤虫がいるということが分かって注射をしてもらって治ってから太り始めた。

(写真: わが家に来たころのレオ)

来た当初、床に用を足したのでトイレシートの場所にその臭いを付け鼻先を押し付けたらその後はそこで用を足すようになった。何年かの間散歩に行っても我慢してかあまり用を足さず、帰って来てそこで用を足すことが続いて、外で用を足せるようにするまでちょっと時間がかかった。来てすぐのころ柱の付け根をかじったのでこれもダメといって叱ったらそれから一生柱など家の中のものをかじることはなかった。また初めのころは私が寝転がっていたりするとすぐ舐めに来ていたのだが、私が嫌がって避けていたら舐めなくなってそれから一生ひとを舐めようとすることはなかった。そういう変化がわかった当初からこの犬はなかなか賢いのではないかと思ったものである。

(写真・左: トイレシーツの上で_まだトレイも届かない来て間もない頃)
(写真・右: 寝転がっていると触れる位置に来る_舐めないようになって)


来てしばらくしてから、私が風呂に入ると扉の前で待っているようになった。そんなに長い期間続いた記憶はないのだが、大きくなってからも時々風呂の前で寝そべって待っていることはあった。亡くなるひと月前ころからその頻度が多くなったのはむかしの感覚を思い出しているのではないかという気がしてそんなに永くはないかもしれないという予感がしたものである。小さい頃の待っている後ろ姿は可愛いものだが、大きくなって私たちに寄り添う後ろ姿もなんとも言えない風情があった。外出するときは素知らぬ顔をして出かけるのが良いとの知識を得ていたので、そうしていたら出かけるときは玄関について来るがすぐ諦めるようになった。その後外出するときは留守番と言ってサッと出かけるようにしていたら、そのうち私たちが留守番と声をかけると控えるようになった。靴をはくときなど寄り添ってくるが静かに座って送り出してくれるようになった。我慢しているのかその姿に哀愁を感じたりしたものである。

(写真・左:風呂場の前で出てくる私を待つレオ_わが家に来て日の浅い頃)
(写真・右:散歩を待って靴をはく妻に寄り添うレオ)

来て一年以内にいろんな経験をして大人になっていくのだと思うが、まだ小さいころ散歩道でカニを見つけた。興味があって鼻先で突っつきながら追いかけていたらカニがハサミで挟んで鼻先にぶら下がった。前足で払ったらちぎれてハサミ部分だけ鼻先に付いていてなかなか取れない。私がとってやったのだがそれ以来カニにはちょっかいを出さなくなった。屋久島では何処かにボールが落ちていることは少ないと思われるが、散歩道沿いの草叢の中とか岩が積み上がったその隙間から誰かがなくしたボールを見つけてしまう。そしてその後もまたあるかもという感じでその場所を通ると探る。記憶力がよく憶えたことはきちんとしてくれるので助かる反面、その場限りという分別はないようである。一回何か食べるものをやるとその前の切っ掛け行動を覚えていて、コーヒーカップを取り出したり、風呂から出てグラスを手にしたり、チーズの銀紙を音もなく剥いたりしてもそばに来て控える。やらなければ諦めるのだが、ついミルクや切れ端をやってしまうようになってしまった。

(写真・左:軟球を見つけたレオ_元気な頃の散歩にて)
(写真・右:ソフトボールを見つけたレオ_最期の年、小康を得ていた頃)


レオは、敵意とか拒絶ムードを感じないと誰にでも友好的になろうとする。めったに吠えず吠えるときは知らない人が家のそばを通っているのを知らせたり猫などが庭を通ったりするときである。郵便屋さんとか宅配便の場合は車などの遠くの気配を察して私たちが気づかないうちに教えるとき一声吠える。配達のひとは二回目からは吠えないで玄関で迎えるようになる。新聞配達の場合は私たちが応対しないからか何回かすると教えもしなければ吠えもしない。散歩などで敵意とか拒絶ムードのないひとにはすぐ頭を撫でてもらいたげに前に行って座る。撫でられているうちに寝そべって腹を見せる。こいつは弱虫だと私たちは言っていたが敵意なく友好的な関係を作ろうとする性格の表れかもしれない。自分は安心し相手を信じているということを表しているのだろうと思われる。家の中で寝るときは全く安心しているのかその姿勢の極致という感じで腹を出し無防備にひっくり返っている姿勢が面白かった。通常は前を向いている眼球も緊張がなくなったみたいに耳の方に寄ってしまうのも面白かった。だが亡くなった後は眼は前を向いていた。

(写真: 腹を上にしてひっくり返って寝ているレオ)

私たちが毎日のように犬を連れて散歩をしているからかある年、小学校の生徒の通学路パトロールのスクールガードを頼まれ2年間犬を連れて県道沿いを下校時刻ころ散歩していたことがある。腕章をリードにぶら下げていたので小学生もそれと知って怖がらず撫でてくれたりした。わが家の犬は室内で飼っているからか自分は人間の仲間だという意識が強いようで犬よりひとが好きなようだった。人の前に行って撫でてもらおうと座るのだが、連れている犬が友好的にじゃれて来ても逃げまわるのが常だった。相手の犬が後ろを向くと尻の臭いを嗅ぎに行くのだが相手が絡んでくるとすぐ逃げてばかりいた。近所のチョコ色のラブラドールのメス犬はレオにぞっこんの様子だったがレオはつれない素振りばかりで愛想のない犬でと飼い主によく謝っていたものである。

(写真・左:スクールガードの腕章をリードにつけパトロールに出る前のレオ)
(写真・右:パトロール中出会った小学生の後を歩くレオ)


レオを飼い始めた年、車をバンに買い換えた。犬を載せるに荷台があったほうが良いと考えたからである。そしてレオは車に乗るのが好きになった。動物病院とゴミ捨てに行くときは喜んで車の方に走っていく。ゴミは500mくらい離れたゴミステーションに週に数回は捨てに行くのだが亡くなる前年の夏ごろの朝、荷台に飛び乗ろうとしたら後ろ足が乗りきらずもんどり打って地面に落ちてしまった。それからは車のそばに行くが自分からは飛び乗ろうとしなくなって私が持ち上げてやるのを待つようになった。10歳になるかならないかの頃だったが、老いてきたのだと感じたはじめての出来事である。その後歩いていて踏ん張りがきかなそうな気配を何度か感じたことがある。そしてその年の12月胸の膨らみを見つけてから約半年の介護の日々となった。自分で動けなくなることが途中であったがそのときは持ち直し3回目に具合が悪くなって動けなくなって来たと思ったら亡くなってしまった。

(写真・左:起き上がれず寝たまま私の方を見ているレオ_初めのダウン時)
(写真・右:膨らみを包む腹掛けをして立つレオ_最期の年、闘病中)

補足: 私たちがレオと離れた日数は4日間のみ
    レオ(2001.08.28生~2012.06.11歿)
わが家に来た2001年11月から亡くなるまでの間に私と妻の両方が留守にして動物病院に預けた日数は4日。あとの日々は私か妻のどちらかがいた。私だけがいなかった日数は入院などで計1ヶ月くらい。妻だけがいなかった日数は旅行や展示会、母親の看病で計6ヶ月くらいと思われる。


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