8月の中ごろ妻の弟の家から贈り物が届いた。お菓子もあったが目玉は壁飾りだった。わが家の三年前に亡くなった犬の顔を描いたものである。妻が早速弟の家にお礼の電話を入れたのだが、この壁飾りは奥さんが習っているトールペイントの先生の作だそうである。奥さんが自分の家の犬の顔の画の壁飾りを作ってもらったのがすごくよかったので、私たちをも喜ばそうとわが家の亡くなった犬のものも作ってもらい送ってくれたようである。
画は筆で描いたのが分かる部分があるのだがクリアコートしてあるのか表面が焼き物かと思えるようにツルッとしていて描いた絵の具の筆跡のでこぼこが感じられない。写真のように見える。もとになった写真はあげた記憶がないのでどうしたのかなと思ったら、姪が5年くらい前に当サイトの記事に載せた写真を印刷か何かしてくれたのを先生に渡したようである。画はその写真そっくりである。早速壁に掛けたが、そばで手にとって見るより少し離れたところから見上げる方が当時の犬の感触や犬の私たちに対する思いが偲ばれる感じがする。
犬は飼い主に似ると言われる。それは飼い主の感情を読むという能力があるかららしい。そして常に飼い主の気持ちに添おうとしている気持ちが飼い主に伝わってくる。それで飼い主はさらに愛おしく感じる。そういう繰り返しの日々があったことが、私の人生ではよい思い出である。お見通しながら優しくありたいと私は日常を過ごしているのだが、その努力の要らない犬とは本当に癒される時期を過ごせた気がしている。
わが家の犬は、他人から見ても良い犬という感じだったようである。お世辞かも知れないが好意的に言ってくれるひとがほとんどだった。おとなしく人なつっこい優しい犬で好男子だとか目つきが優しいとかいうことも言われていた。犬が飼い主に似るということなら、好男子と言われれば飼い主もみてくれに自信を持ってよいということかも知れないが、目つきの優しさは妻の方が優っているから私似ではなさそうである。内面を映しているかもしれない目の憂いはもしかしたら私似ではないかという気がしている。
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屋久島方丈記・日誌編:
No.16 犬との暮らし9年 (2010.09.27)
No.111 レオという犬と暮らした日々 (2012.07.02)
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