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  たわごと編: No.212  
  2014.03.10 嫌われる勇気_ひとに仕切られないで自分を生きる  
 
  まず恋愛についてのことである。自分が相手を好きになる。しかし相手が自分の気持ちに応えてくれるかどうか決めるのは相手である。しかしそれを理解せず相手は自分の思い通りに応えるものだという考えから抜け出せない人間がストーカーになるわけである。そして自分の思い通りにならない相手に怒り狂ったりすると昨今承知の殺人事件になったりするわけである。ほとんどのひとは決めるのは相手だということを理解し受け入れているからそんなことにならない。

親子関係でもそういう恋愛に似たようなところがあるが、相手が決めるということについて理解し受け入れていない割合は恋愛においてストーカーになるひとの割合より格段に多いあるいは大半に近いかもしれないと思われる。子は親が自分の思い通りに動かないあるいは自分の言うことを聞いてくれないと、怒り怒鳴るような強い口調で自分の思い通りに応えさせようとしてくる。親が自分の思い通りに動かないことを許せず、親の考えや生き方があるということを考えない。そして子の考え方や生き方を親にしろと強制し、親の考え方や生き方に介入し、親をねじ伏せようとするわけである。逆に親の言うことに応えたいあるいは言うとおりに生きろと言われ良い子になろうとして自分の考え方・生き方を抑えあるいは抑えこまれて子が悩みあるいは問題を起こすことに気づかない親もいるわけである。

そういう親にしても子にしても、何かはなしをしても自分の言い分が通ることが前提だし、何か頼みごとをするにしてもやって貰えることが前提である。相手がその前提に反する反応を返すと怒りと非難が渦巻くわけである。親と子はそれぞれ別の考えを持ち生き方も異なる。親は親、子は子の考え方や生き方があることを厳然と知らなければ、自立した人間同士としての親子関係にならない。自分のことを決めてきたのは自分だしこれから決めるのも自分である。何かにつけひとのせいだと言うのは自分はひとの生き方で生きて来たと言っていることになる。親も子も本当に自立しなければいけないようである。私の親子関係でもそういうことを考えさせられてきた。そしてギクシャクした親子関係の中でどうすればよかろうかと考えた末に最近は他人行儀で生きるのが良かろうと思うようになった。

最近話題の「嫌われる勇気」(岸見一郎/古賀史健・ダイヤモンド社)という本を、以上のような自分も失恋とか親子関係でなんとなく感じていたことを思い出したりしながら読んだのである。私が漠然と感じていたこと、他人行儀で生きることは、その本の言うひとの評価を気にせず自分によいと思うことそして害悪ではないと思うことをせよ、ひとの言う生き方を生きるのではなく自分の考えによる生き方をせよ、ひとが最終決定すべき事柄には深入りし介入するな、自分が最終的に決めなければならない事柄にひとを介入させるな、ということに通ずる生き方なのだとはっきりした気がした。そういう生き方をすると、ひとに合わせたりしないあるいはひとの思い通りにならないから、ひとに嫌われるかもしれない。それでも自分を生きる、そう生きる勇気が「嫌われる勇気」ということのようである。私は以前からお見通しながら優しくという生き方に努めると言っているのだが、それと相俟って良い人生のために嫌われる勇気を持つ生き方にも努めなければと思うことである。


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