屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.222 屋久島(122):妻の留守に考えたこと  H18.08.30)

ここ2週間ばかり妻が旅行に出ている。犬と二人暮らしで掃除・洗濯・飯のリズムが掴めて来ると、気分に余裕が出てくる。そしていつもはゆっくり考えない事柄が気になってくる。妻はよく言っている。ちょっと頭が痛い。胸が痛い。腹が痛い。そういうときにはすぐ死を考えてしまうというのである。親戚で亡くなる人が続いたり近所でも亡くなる人が最近出てきているからかもしれない。

妻は最近そういうのだが、私は大分以前からそういう感覚で生きている。そして気になっているのは、自分が死んだらどうしようということである。葬式や墓などは気にしない。簡単・安価にやって海に散骨で十分と妻に言ってある。気になるのは妻のことである。

子ども同士自分より相手がかわいいと親が思っていると思い込んでいる様子がある。一方が相手やその連れ合いにうまく立ち回られることを警戒して、遺言をきちんとしてくれなどと訴えられたことがある。もう私が死ぬことが予定の中に入る年になったかと自覚しなければいけないようである。

また子達は妻をあなどって通常の会話でも恫喝するような態度をとることがある。また妻が行きたいあるいはしたいことがあると妻をだしにして、自分たちの都合で動き回る。そういうのを見聞きすると、私が亡くなったあと妻が自分のしたいように生きられないのではないかと心配である。

そこで以前から、遺言書を作ろうとしているのだがなかなかゆっくり考える機会がなかったのである。今回2週間もの犬との二人暮らしでその機会が来たわけである。テレビのイギリスのミステリードラマで、自分で死が気になったとき弁護士事務所か公証役場か知らないが、口述で遺言して書類にしてもらっているのを見たことがある。一人暮らしの人だったから執行もしてくれるようである。

そこで日本でも簡単にそういう具合にいかないかと調べてみたのだが、そう簡単なものはないが信託銀行で遺言信託や遺産整理業務というのがあるそうである。そこは比較的費用が高い。一応問い合わせてみたら支店からすぐ訪問可能な範囲でしか受けないそうである。離島の屋久島では利用できないようである。

インターネットで調べてみたら行政書士が信託銀行よりぐっと安くやってくれるということなので、統計資料を閲覧したら平均するとぐっと安いが信託銀行並みもある。資産の額が書いていないから高いと見えるところは資産額が大きいのかもしれない。行政書士会に行政書士は機関でなく個人だから廃業するなどで業務継承できなくなると執行者に指定した場合困るがと質問したら地元の会員に聞けとの返事である。どうも行政書士などは縄張りがありそうである。

そこで地元で聞いてみるとやはりその心配はある。契約で引継ぎ者を指定しておくという手はあるらしいが、当地では大方執行者指名は受けないようである。信託銀行のように丸投げの遺言信託や遺産整理業務は屋久島では望めないようである。

話を聞いて考えた結果私としては次のようにすることにしようかという気になった。遺言書は公正証書遺言書にする。他のものの介入防止を法的に裏付けるため妻を遺言執行者に指名し、遺産整理を第三者に委託してよしとする。そして私が一番心配な妻のその後の生活の万全を期すため、遺留分は犯さない範囲で妻に全財産を譲るに近い遺産配分を具体的に記すというものである。少ない資産で何をそこまでと笑われても私は真剣に考えたらこうなった。そのうち鹿児島の公証役場に行こうかと思っている。

補足: 異議のこと  (H18.10.24)

妻が事情があってこの一週間ばかり上京し昨日帰ってきた。上記記事に対し子たちから直接反応があったそうで、妻から伝え聞く言葉によればリヤ王の真似みたいなことをするなということだったようである。


 
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