My logbook : 屋久島暮らし残照録  
  Home > 目次 > 記事  
  偏見ご免のたわごと編:  No.141
ウクライナ事態から考える_日本の懸念 2022.05.10
  ロシアは米経済覇権体制下で経済発展を目指していた印象があるが、いまのアメリカはロシアとの恒久的対立を戦略としている。そしていろいろとロシアが嫌がることを仕掛けて来た。日本がアメリカと開戦したいきさつは、欧州戦線に参戦したいアメリカの嫌がらせの行き先だったが、今回のロシアのウクライナ侵攻はアメリカのウクライナをダシにして米ロ対立を長引かせるための嫌がらせが引き起こしたものと見るひともいる。

そうだとしても、日本はアメリカ側について行くしかない。国際法を守らないで力による一方的な現状変更を試みることは絶対に許さないという建前の正義を主張できる側に立つしかない。アメリカと軍事同盟を結びながらG7やNATO諸国と離れて中立的立場をとることは難しい。だからG7とともに出来る制裁などをすることになる。国際法を守らず力で現状変更を画策する中国の脅威から日本を守るためにも多分そうするしかない。

だが、その日本の方針をロシアが敵対的な態度を明確にしたととったら、つまりロシアが日本を敵国扱いすることになったとしたら、そしてウクライナの戦いが制裁などでウクライナを支援する周辺国に及んだ場合、矛先が日本にも波及してロシアは日本の経済制裁も大量破壊兵器の一種だとして北海道あるいは日本を攻撃するかも知れない。そういう心配をするひともいる。中国の台湾や尖閣周辺にどう出るかに加えロシアの出方も考えて対処を検討しなくてはならなくなったかも知れない。

そこで防衛論議だが、(敵基地攻撃能力改め)反撃能力のことである。専守防衛というのはこちらから仕掛けないということだから、察知したらこちらが打たれる前に素早く反撃し相手に打たれないようにする方法しかないのではないかと思われる。反撃能力というのはそういうカウンター攻撃のようなものだと思われる。それはそれで持っていないと抑止力にならないのだが、その前から後までのどうするかについての戦略を持っていないと、防衛能力として態をなさないわけで、政府あるいは政治家には国を守るにはという全体的視点からよく論議してほしいわけである。中国とロシアを相手にするのはかなりきついのではないかという気がするのである。アメリカはロシアと直接戦う気はない。中国とはまだそれよりはある感じはする。日本はどうして行くのか気になっている。


補足1: 
反撃能力_賭けではないカウンター攻撃はあるか
剣道を2年しかやったことがないが、そのときに感じたのはカウンター攻撃が極意ではないのかということである。相手の動きを注視していてその動きを察知したら素早くカウンター攻撃をする。私は課外活動でちょっとかじったところでは素人の自分としてはこれしかなさそうに思ったものである。でもカウンター攻撃がかわされたら私の場合必敗なのでイチかバチかでやるしかないのだと思っていた記憶がある。

補足2: 
平和は戦争の反対語らしい_玉城知事の言う平和とは
2022.05.16
5月15日 沖縄復帰50年式典で玉城知事が「すべての県民が真に幸福を実感できる平和で豊かな沖縄の実現に向けて取り組んでほしい」と政府に向けて言ったようである。私は玉城知事あるいはいわゆる沖縄世論として言われる平和とはどういうことかなのかと気になっている。ただ感覚的あるいは感情的に平和と言っているわけではないとしたら、その具体的に意味するところを知りたいと思うのである。

ある国語辞典で見ると平和とは、一つに「おだやかに、やわらぐこと。静かでのどかであること。また、そのさま。」とある。二つに「特に、戦争がなく、世の中が安穏であること。」とある。いま沖縄は後者の状況にあるわけだから、前者ということになるが、具体的に何なのかということが分からない。戦争がないように国などの努力で維持されている日本の環境の中で、沖縄として政府にどうしてほしいのかよく分からない。感覚的・感情的な思いではなく言っているはずだから、具体的に言ってもらわないと私には分からない。

また平和学の父と言われるヨハン・ガルトゥングの言う「消極的平和(戦争反対、対立関係の解消など)」、「積極的平和(新たな仕組みづくり、協力関係の構築など)」の意味での平和なら、「平和」の対義語は「暴力」で、それは、「直接的暴力(紛争、虐殺、家庭内暴力など)」、「構造的暴力(貧困、飢餓、環境問題、差別、疎外、搾取など)」、「文化的暴力(他者への不寛容、偏見、憎悪、無関心など )」だということのようである。そういう意味で言っているなら、沖縄を平和にするに、その暴力の何が問題で、政府にどうして欲しいのか、具体的に言ってもらわないと私には分からないわけである。

ところで、基地の負担軽減問題だが、少しでも改善になることを認めればまた次のステップがある。相手(アメリカ)があるのだから時間をかけてやるしかないのが現実なのに、何でも反対で現状維持を続けながら政府に文句を言って困らせる。そんな立場にしがみついて、少しでも良くなればやって行こうという気がないように見える。

また、豊かになることについては、以下にひとつの見方が紹介されている。
  
No.089  本を読んで_「沖縄に貧困がなくならない本当の理由」  (2021.08.09)

補足3: 
共産・外交の力で平和を_それがダメな時を論じているのにズレている
2022.05.24
今日見たあるブログの題名に、『共産・志位委員長「外交の力で平和をつくる」これこそ政治の責任!日本の進むべき道は明らかです!』とあった。本当にこう言ったかどうかは知らないが、そう言ったとしての感想である。外交の力で平和をつくるのは当たり前のことである。誰だってそう思っているわけである。共産党あるいは志位委員長は当たり前のことを言ってそれだけしか言わないから現実を心配しているひとたちから信用されない。外交でうまく行かなかったときどうするのかを論じているのに、的外れなことを言っているわけである。

補足4: 
安倍元首相撃たれ亡くなる_裏があるのかないのか
2022.07.09
安倍元首相が、昨日奈良で選挙応援演説中に撃たれ亡くなった。イギリスではジョンソン首相が辞任、日本では安倍元首相が殺された。ウクライナ情勢をめぐってそれぞれアメリカべったりの国に起こったことだが、イギリスは憂国の士側が勝ち、日本は憂国の士が殺されたと見るひともいるようである。
なお、犯人は、母親が統一教会に入れ込んで破産の憂き目にあったので統一教会を恨みその幹部を狙っていたが果たせず、メディア情報などから安倍元首相が統一教会を支援していると思い込んでいたので、矛先を安倍元首相に向けたと言っているようである。

補足5: 
中国軍事演習でEEZ内にミサイル_現地ここに来て避難対策求める
2022.08.07
中国が台湾を包囲するかたちで軍事演習を実施しわが国のEEZにも5発の弾道ミサイルが着弾した。中国は日本への威嚇の意味もあることを表明しているようである。現地首長にはここに至って避難のため大型機発着を可能にする空港滑走路延長や大型船着岸可能な港の整備などを求めるようなことを言っているようである。嫌だ嫌だでやって来て事態が迫ると助けてと言うが、最悪を考えそれに備えようとするときには反対しておいて虫の良いことである。
また識者などの中にこういう事態が起こってもまだそういう事態に備えることの必要性をに触れず、外交でこういう事態を招かぬような努力が必要と言っているひとがいる。軍事力に制約があり経済力に陰りが出ているわが国が外交で相手に言うことを聞かせるに何をすべしと言うのか。具体的に力で現状を変更しようとする国に対しどういう外交的折衝が出来るのか。あるならその具体策を政府に対して提言してみればよいではないか。
相手のあることである。自分が思ったってそれが通るわけではない。言葉だけで実践のない識者などの言うことは失敗する公算が高いが言ってみたらどうか。
仮に、相手の言うことを聞くから止めて、すなわちそちらに付くからその条件を詰めようということなら足元を見られるだけである。と言うか、そういう方向を求めること自体、識者などが言いたいことを言って来れたわが国でなくなってもよいと言っているようなものである。
私が思うに、わが国としてはいまも努力を傾注していると思われる同盟の強化、連携国との関係強化そして相手を非難する仲間の集結のための外交努力をすることに合わせて、先を見ない勢力に阻まれてきた最悪事態に備える努力をするしかない。
(追: 2022.09.12 11日行われた沖縄県知事選挙は軍普天間基地の辺野古移設反対などを訴えた現職の玉城デニー氏が2回目の当選を果たしたそうである。ミサイルを落とされた近くの島の首長と違って沖縄県民の半分くらいは沖縄の近くにミサイルを落とされても危機感もなく、玉城氏を支持したようである。)

補足6: 
ウクライナと日本のアナロジー_ウクライナ全土にミサイル攻撃
2022.10.12
報道によると、プーチン大統領が10月8日にクリミア大橋で起きた爆発への報復だと言っているようだが、10日にロシア軍によるウクライナ全土20か所以上に80発以上のミサイル攻撃や空爆があったそうである。ウクライナ軍はロシア軍が発射したミサイル84発のうち43発を迎撃、無人機は24機のうち13機を撃墜したが、各地で被害があったというはなしである。

この報道を聞いて思った半分冗談のはなしだが、ウクライナと日本のアナロジーである。
・中国は本来沖縄は自国のものだと公言している。
・切っ掛けが台湾有事のときかあるいはいつになるかは定かではないが、
 (ロシアがウクライナに攻め込んだように)
 中国は沖縄に攻め込むことが考えられる。
・(ウクライナの東部の州が)日本の場合は沖縄である。
・いま沖縄は中国への備えなどに消極的である。
 (玉城知事を選んだ住民の約半数、そして地元マスコミなどは
  あたかもウクライナ東部の州のロシア系住民の如くである)。
・もし中国が攻め込んで来てそれに対抗する日本が有利になれば、
 (ロシアがウクライナ全土にミサイルなどを打ち込んだように)
 日本全土が中国のミサイル攻撃にさらされる可能性がある。
・日本は沖縄が攻撃され奪われないように、また日本全土への攻撃にも
 対抗しなければいけなくなる。
・日本はそういう最悪の可能性に対応できるように
  備えなければならないということになる。
 外交その他の手段で回避できない場合の状況に
  耐え得る備えをする必要があるわけである。
 それがまた抑止力になって外交などの手段で戦争を回避することも
  可能になるわけである。
・あるいは
 (沖縄の備えに消極的な玉城知事を選んだ住民の約半数、そして地元マスコミなどは
  あたかもウクライナ東部の州のロシア系住民の如くであり)
 それが沖縄は日本より中国がよいということの地元の意思表示であるならば、
 日本は沖縄振興などに頓着せず沖縄なしで
 今後生きていく備えをした方がよいのかも知れない。

補足7: 
鹿児島県・初の広域避難の図上訓練_他国の屋久島攻撃想定
2023.01.21
1月18日、鹿児島県庁で他国から屋久島へ攻撃が予測される場合に備え、全島民1.1万人を本土に避難させる図上訓練が行われたというニュースがあった。県は現行の公共交通で運ぶ場合、全町民約1万1800人の避難に最低6日かかるとの試算を提示。県が設置する危機対策本部で増便などを調整し、町が誘導する流れを確認したということである。地元からは不安の声があがっているともあった。
地元の声とは、参加した屋久島町関係者だと思われるが、何に不安を感じたのだろうか。本当に訓練通り避難できるかどうかということに不安を感じたのかあるいは他の心配を感じたのかニュースではよく分からない。
私は、避難のことよりもなぜ屋久島を対象に避難訓練を実施したのかということに関心がある。何か事があれば、屋久島が他国から攻撃されることになると想定するその理由が知りたい。私の知る限りでは住民になぜ屋久島への攻撃が想定されるのか、その理由が説明されていない。屋久島に何か攻撃される施設あるいは有事に際しての軍事展開計画などがあるのかと気になっている
(追: 2023.02.14)
2月13日、他国からの武力攻撃を想定し来年1月に屋久島町の全住民を本土に避難させる実動訓練を実施する方向で内閣官房や県が検討していることが分かったというニュースがあった。政府は屋久島と口永良部島に武力攻撃の可能性があると判断しているとのことである。このところ頻繁に中国海軍の測量艦が屋久島沖を通過していて、12日にも通過のニュースがあった。

補足8: 
沖縄県の玉城知事_国連人権理事会で野古移設反対演説
2023.09.19
日本時間9月19日未明、玉城知事がジュネーブの国連欧州本部で開かれている人権理事会で演説し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴えたそうである。過重な基地負担で平和が脅かされていると強調し沖縄の状況を訴えたということのようである。
誰でも戦争のための基地はなければそれに越したことはないと思っている。だがその思いから基地反対に直結する思考をすることは問題だと私は思っている。そういうことを自由勝手に言える国がよいのか、沖縄を狙っているそういうことを自由に言えない国のようになってもよいのか、それが先に問われなければならない。その問いがまずあってのことでも何が何でも基地反対という結論に達したのならば、沖縄は日本でなくなってもよいから基地がなくなればよいということを主張していることになる。
沖縄の基地問題は現時点の情勢では、「基地はない方がよい」と「いまの自由でものが言える国の沖縄であって欲しい」のどちらも望むのはかなり難しいと思われる。いまのままの自由でものが言える国がよいならば、基地問題は現実的な妥協点を求めるしかない。なるべく地元・日本・アメリカがそれぞれ目的に十分でなくとも納得出来るかたちにするしかないのである。発想の原点が自由にものを言える国がよいのか、なにしろ基地がない方がよいのか、どちらなのか主張の前提あるいは優先度をまず沖縄ははっきりさせなければならないのではないかと思われる。
(追:2023.10.16 最近知ったのだが、国連人権理事会での玉城氏の発言は、原住民を主張する市民団体枠で原住民として意見を開陳したということらしい。沖縄県の知事としての資格で発言したわけではない。そして原住民という認識は沖縄県住民の意識でも見解でもないということである。それをメディアは報道せず基地問題を煽っているようである。
玉城氏が原住民個人の資格で出席するに当たって県知事としての公費を使用して出張したとの批判もある。そしてその沖縄の代表と間違われるような行動も批判の対象になっている。さらにまた玉城氏については沖縄を日本の軍事力配備やアメリカ軍配備から切り離し侵略し易くしたい中国のお先棒を担いでいる工作員みたいだという見方も出ている。)


(関連記事)
屋久島暮らし残照録・偏見ご免のたわごと編:
  No.128  馬毛島基地化決定_西之表市長の受け止めは  (2022.02.28)

  No.177  最近気になっていること_インフレ、統一教会問題、防衛力増強  (2022.11.08)
  No.226  防衛費財源論議_大事なのは戦争のお先棒を担がされない知恵  (2023.05.22)
  No.257  鈴木宗男氏無断で訪露_日本の戦略・外交は  (2023.10.12)
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:       (「補足:6」関連)
  No.204  日本の方がよいか中国の方がよいかが問われているか  (2014.01.14)
. 
 
  back