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  偏見ご免のたわごと編:  No.257
鈴木宗男氏無断で訪露_日本の戦略・外交は  2023.10.12
  日本維新の会の鈴木宗男参院議員が政府の渡航中止勧告が出ているなか、党に無断でロシアを訪問し10月2日にルデンコ外務次官と会談したということである。日本維新の会は無断渡航やこれからもそうする意向を示していることを持って10日鈴木議員を除名処分を決定したが、鈴木議員は離党を申し出て受理されたそうである。また鈴木氏は4日に掲載されたロシア国営通信社・スプートニクのインタビュー記事のなかで、ロシアとウクライナの戦争について「ロシアの勝利、私は何の懸念もなく100%確信を持っている」などと述べているが、それは日本維新の会の除名決定の理由にはなっていないそうである。

ネットでこの鈴木氏の訪露についてのある反響記事を見ていたら、10月7日ハマスのイスラエル攻撃とそれに対する8日からのイスラエルのガザ報復攻撃で石油産出国の多い中東が戦争拡大に巻き込まれて行くと世界そして日本の石油供給に影響が出て来ると考えれば、政府はアメリカに追随しなければならない中でロシアとの何らかのパイプを維持する誰かがいることはそれなりに評価してよいのではないかということが言われていた。そういうはなしが出るということは日本外交はいろいろな情勢変化に対応すべくそういう存在や動きもあることを織り込み済みでやられて来ているからかも知れない。

またあるネット記事からの受け売りだが、いまはアメリカとロシアはウクライナ情勢を巡って関係がよくない。日本は民主的でない中国・ロシア・北朝鮮の核保有国と反日の目が消えない韓国を隣国に持ち、また日本防衛を第一義にしていないアメリカ軍に基地を提供している。そういう情勢のなか友好を口にしながら軍事力をバックに日本領土の奪取意欲を隠さずちょっかいを出して来る中国をそれも核による恫喝を念頭にけん制するためには、いずれロシアとの関係を再構築すべきときが来ると考えられる。再構築がなればロシアを通じたグローバルサウス諸国との関係を構築することも視野に入ってくるということである。

鈴木氏は訪露について「隣国との向き合い方、信頼関係の醸成は必要だと思っています。いついかなる時でも、私は国益の観点から行動したい。」と言っている。そして政府はいまアメリカに従って行かざるを得ないが、ロシアとの窓をまったくシャットダウンということではなく何らかのつながりを絶やさないことが必要であって、政府が動きにくいなか議員が政府の思惑から外れて外交的動きをするのも、いずれロシアとの関係を再構築すべきときが来た暁に生きて来るのではないかと思われるというはなしも言われている。鈴木氏の訪露はそういう考えあってのことだと思われるが、国会決議や政府の方向性と政治信条の尊重、そのどういうあり方が国益にかなうかはこれからの成り行きで分かることかも知れない。


補足: 中川一郎氏と石原慎太郎氏_同床異夢だったか
2023.10.21
アメリカCIAから表向きは反共を唱えながらも裏では親ソビエト政権の樹立を画策していたと見なされていた中川一郎氏の秘書だった鈴木宗男氏はその流れをくむ親ロシアとの見方もある。ともに青嵐会のメンバーだったが中川一郎氏と石原慎太郎氏では反共と言いつつも同床異夢だったのかも知れない。


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