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  偏見ご免のたわごと編:  No.226
防衛費財源論議_大事なのは戦争のお先棒を担がされない知恵  2023.05.22
  ウクライナ侵攻や台湾有事の懸念など日本の安全保障環境が厳しくなっている、すなわち日本は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれているおり、ウクライナ侵略と同様の事態が将来東アジアにおいて発生する可能性がある。そしていまその危機に備える安全保障外交と防衛体制の確立は最重要かつ緊急のテーマである。私はそういう認識で政府が国を運営して行こうとしていることは間違っていないと思っている。

そしてそういう認識に従って安全保障戦略を転換し防衛費も増強という流れになっていて今国会で防衛費増額の財源確保特別措置法案が論議されているわけだが、私はその細部についてはよく知らない。ただ日本が戦争のお先棒を担がないよう知恵を働かせながら日本の国を守る外交をバックアップする実力は保持して欲しいと思っている。

私はアメリカも中国もロシアも用心すべき国だと思っている。他にもいくつかある。政府は用心しなければならない国との外交では相いれない見解にはっきり主張すべきところを言う態度を守って欲しいと思っている。だが中国やロシアのような国の体制下で生きるよりはアメリカの方がよいという気はしている。だからアメリカと同盟関係にあるのはいまのところ致し方ないと思っているが、日本はアメリカがする戦争のトリガー役にならないよう用心しながらうまく立ち回って欲しいと思っている。

私は敏感すぎるのかも知れないが、中国が尖閣に仕掛けて来るようになった底意や沖縄が自国領だと言う底意を不穏視している。またロシアの要人の北方領土に関する言い分などにもロシアは用心すべき国だという不安は消えない。そして両国ともアメリカとの確執もあるわけである。それぞれの国に正義と国益があるならば、日本にもあるわけである。いずれもそれなりの分を主張し合えばどこか落としどころを探ることになる、つまり外交で解決を計ることが重要になるのだが、それで決着がつく保証はない。そしてウクライナのようなことにならないという保証もないわけである。

言うまでもなく外交が最重要なことは当たり前だが、それが破綻した場合のことも考えておかないといけないわけである。いま日本が自分から仕掛けることはしないのだから、最悪の場合を考え相手が戦争を仕掛けて来ることに備えるということになる。そしてその備えが相手が仕掛けることをためらうくらいのものならばそれが外交をバックアップし最悪の事態は避けられるかも知れないわけである。私はそういう意味で、自分からは仕掛けないが戦争は出来る国であることは必要だと思っている。

備えをすると日本が仕掛けるのではないかとか、備えが相手を刺激して戦争を招くことになるとか非難する向きもあるが、相手例えば中国は日本より格段に戦争の出来る国として日本に仕掛けるに十分すぎる規模の軍備を持ち圏域拡大意欲を公言しているわけである。まずはそっちの方を心配するのが先だろうと思うわけである。誰でも戦争は嫌である。嫌だからといって外交で仕掛けるぞと脅されたら相手の言うことを聞くしかないという国でよいのかということである。備えをするにも時間がかかる。非難をするからには具体的に可能な対処法をすぐにでも提案し政府そして国民を納得させて欲しいわけである。


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