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  日誌編:  No.338  
・論理的思考問題_現実の問題を解くひとは大変である 2024.10.28
 
私はいろんな世の中の出来事についても感想あるいは意見みたいな記事を書いたりするがほとんど表層的な印象主体のものである。実際は私が目にする状況は複雑な事情への対応の結果である可能性が高いと思われる。特に外交や防衛など一国の興亡にかかわることについては、それぞれの国あるいは日本でもかなり緻密な論理的思考の結果がそれぞれの国のそのときどきの対応に反映されているに違いないわけである。そういうことに携わる人間はどう考えどうものごとを決めているのかに興味があった。そんな思いがあったから、「頭のいいひとだけが解ける論理的思考問題(野村裕之著・ダイヤモンド社)」と言う本があるのを見かけたとき、世の中の情勢を理解する力の養い方を知りたいなと思い購入してみたわけである。


本の導入部分を見ると、日々新たな問題が現れ、過去に学んだことや身に着けた知識はすぐに役立たなくなる。そんな時代には、直面したことのない複雑な問題に対して、直感や常識に流されず、状況を冷静に分析して、論理的に正しい判断を導ける「ちゃんと考える力」が必要である。そして伝統的に問題解決と呼ばれてきたものの多くはじつはパズル解決である。だからその考える力を養うには論理的思考問題で訓練するのがよいということが書いてあった。

やり方としては、問題に記述してある条件から手掛かりを知り何をどう考えると答えに達するか、それを考え解いていくことになる。いろいろな考えの進め方があるのだが、難しい問題になるにつれ私の程度だとノートに書いていろいろ整理しながら答えを導かなけければいけない。私はある程度直観的に一つのヒントを見つければ答えが分かるくらいのものなら解けるのだが、そうでない問題はいまのところ解けない。これからの訓練の課題である。

いまのところ手に余るものは多いがこれからも私の手に余るだろう問題の中に、登場人物すべてが極めて論理的な思考を行うという条件があるものがある。それらはそうでないと論理的に考えても答えは出ない問題ということなのだが、訓練ではなく現実問題を考えたときに私は登場人物すべてがみんな同様に論理的に考えてそれぞれの選択の結果が問題の答えに到達するという在り方は極めて稀だという気がしてならないわけである。

訓練問題では全員が極めて論理的と仮定しないと問題にならないのだが、そういう訓練に耐えて来た外交や防衛などに携わるひと達あるいは企業などの戦略に携わるひと達であっても、現実には相手や自分たちの間で関係する全員が同じように状況を極めて論理的に考えるという前提が成立しているとは考えにくいから、実際は条件が不十分な中でかなり難しい問題を解くことになるわけである。大抵の場合そうなのだから世界中で政府や関連組織あるいは企業などの判断や行動の失敗もなくならないわけである。

私は会社時代に似たような問題解決の研修に参加したことがあるが、例題は出来ても本題に正答出来たのは皆無だった。そういう落ちこぼれの私が答えのある論理的思考問題に手こずりながら思ったのは、論理的な思考力に優れた政府や関連組織などあるいは企業などで現実の戦略問題に携わるひと達の責任の重さと苦労は並大抵ではないはずだろうということである。そしてそれがこの本を読んでの感想である。


補足: 
27日の衆議院議員選挙_与党過半数割れ
石破首相が解散に当たってどういう結果になったらどうするという作戦は立てていたのではないかと思うのだが、その作戦が当たったのかどうかに私は興味がある。私は与党過半数獲得と言いながらも、石破首相が本当に狙っていたのは違う展開であり、私がその本当の狙いかもと想像していた展開が石破首相の狙いであったのか、あるいは成り行きの展開なのかに興味があるのである。今後の状況の展開でそれが見えて来ると思われる。
(追・2024.11.21 石破氏は立憲民主の野田氏と組んで社会のリベラルな政策部分はすべてやって、この社会を自分の考えに合うように変えてしまおうと考えているのではないかと見る向きもある。)


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