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企業で社員をジョブ型にするところが出て来ているが、厚労省が進めているジョブ型正社員はジェネラリスト型ではなく、特定地域の特定業種での転勤のない多様な雇用形態を言っているらしい。雇用慣行をそのジョブ型にすることが雇用改革だということのようである。つまり解雇できない正社員という雇用形態をなくさないということだから雇用の流動化を狙ってのことではないらしい。
さて、厚労省は仕事の在り方によってジョブ型とかそうでないとか言っているようなのだが、働いているひとは皆なんらかの決まった仕事をしているわけで、その担っている仕事の在り方によってそれはジョブだとかジョブでないとか言っているように見えて私には違和感がある。どんなひとでも働いているあるいは雇われているならどういう仕事をしているかは、いわゆるジョブ型正社員はやジェネラリスト型社員にかかわらず、その業務と責任や権限の範囲の狭義的、広義的、具体的あるいは抽象的に定義される内容の差異はあっても決まっているわけである。つまりみんなそれ相応のジョブを担当しているはずなのである。
そういう意味でのジョブは正社員であれ非正規社員であれ経営者であれ、そのときに担当している仕事ということになるわけである。いわゆるジョブ型正社員というのは明確に定義されたジョブ担当として選任された正社員ということのようだが、いわゆるジェネラリスト型正社員であってもそのときのポジションで求められている仕事つまりジョブは決まっているわけである。
そしてそういう正社員であれば、そのジョブが必要なくなるとかそのジョブに見合った能力が不足となれば例えばいわゆる窓際族に見られるような余剰人員の問題が出てくるわけである。企業としては非正規社員同様そのジョブが必要なくなったりあるいはこなせないなら本当は解雇したいわけである。ところが、いまの正社員は若いときは給料は安く年功で高くなるのだから途中で解雇されることはとんでもないということになる。
正社員は解雇できない無期雇用社員だから例えばジョブがなくなって使いまわしも利かないひとは余剰人員になってしまう。企業としてはそれはお荷物になるから初めから非正規社員を雇おうということになるのは当然の流れだと思われる。そして法によりある年数を超えて雇用し続けるなら正社員にしなければならなくなる。だからそうなる前に契約を解除する。そうしないと途中解雇できなくなって非正規社員を雇った意味がなくなるからである。
そういう問題の解決方法として、すべての雇用を本当の意味でのジョブ型にし契約で仕事をし、そのジョブの評価で昇進してもっと高度なジョブにつくか、そのジョブにとどまるか、降格されたジョブにつくか、あるいは解雇されるような雇用形態にするべきだとよく言われているわけである。そして解雇の場合は金銭解雇である程度の生活保障がなされるとともに雇用市場も自分に見合う新たな職を探せる流動性を提供するよう変革されることそしてまた生活保障がなされる同一労働同一賃金とか老後生活が保障されることが前提のようである。これからはそれなくしては、職業の選択の自由と人材の最適配置を両立させて日本経済を活性化させることは出来ないかも知れないと私も思うのだが、私はジョブを誰が定義し就労者にその責任と権限を明確に提示するのか、そしてそのジョブの成果を誰が評価するのか気になっている。
いままで私が経験した限りでは上司がそのジョブについてたいした知識も理解もないのに指図をし人事評価をするのを目にすることがあった。ジョブを定義するのもそうだが、それにも増して適正に評価する能力があるのか不安になってしまうのである。そういう問題の信頼性を上げて行って欲しいと思っている。まずはトップから順に下に向けてジョブの定義をしつつ適正な成果と能力評価が出来る人物の登用をして行くことなしには難しいという気がしている。ダメなトップあるいは上司にはよい人材は寄って来こないからトップや上司の淘汰も進むかも知れない。
補足: それは私の課題ではありません_給料上げ新ジョブで契約して
あるジョブで契約したのにそれ以上の仕事を要求をされたら、それは私の課題ではありません、やれと言うなら給料上げた新ジョブで契約を、と平然と言えるのか。そう言える時代を目指すのかあるいはどうしたいのか。私はジョブ型雇用という言葉から何となく今後の社会を想像するだけなのだが、実際どういうことになるのかよく分からないから気になっている。
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