上屋久町議会が合併案を否決したら、住民が否決した議員をリコールしようという動きが出ているとの報道があった。以下は住民投票以降の主な経緯とリコールの動きについての私の感想である。なお、1:〜3:は「No.165 両町合併のこと(2)」の「補足」を移転記載したもの、「4:リコール運動のこと」は移転に際し大幅に補強したものである。
1: 住民投票のこと (H17.02.18)
昨日町報と一緒に27日住民投票を実施するとのビラが配られた。
2: 合併賛成多数のこと (H17.02.28)
昨日の住民投票で屋久町は大差で賛成多数、上屋久町では31票の僅差で賛成多数とのことである。我が家には投票日前までに賛成派のビラが複数投げ込まれたが、反対派のビラは皆無だった。賛成派のビラでは屋久町の土地改良問題が賛否両論を分ける争点のようだったが、最近配られた合併協議会資料では両論を見比べる情報がなかった。
3: 合併議案否決のこと (H17.03.14)
本日のTVニュースによれば、住民投票の結果を受けての議会で屋久町は全員一致で可決、上屋久町では8対7で否決したとのことである。
4: リコール運動のこと
(H17.03.17)上屋久町の合併反対議員8人に対するリコールの動きが起こっているとの報道があった。
私の感想としては、31票差ではもう少し住民の理解を得る説明をして、再度住民投票をした方がよいと思う。上屋久町側には協議項目に現れていない問題意識あるいはしこりがあるのではないか。31票差は町民の事を急ぐなという意思の表れと考えるのが妥当な気がする。
住民投票は直接民主主義の投票ではないので31票差(4007分の31=0.77%)では議員を拘束する決定打としては弱いように思う。議員の1票(15分の1=6.67%)の重みを大幅に下回っている状況では、議員の1票差が町民の意思を反映していないと言い切るには無理があると思われる。
県知事が「異例の議決に驚いている。住民投票の結果が生かされず残念。僅差とはいえ、わざわざ住民投票を行ったのだから、その結果を尊重するのが普通の姿だろう。何のための住民投票だったのか疑問が残る」と言ったとの報道も気になる。住民投票の結果だけで決まるなら議会など無くてもよいのではないか。僅差だからこそ町のことに精通した議員の判断が重要になってくるのではないか。
外から見れば、上屋久町では上屋久町が定めた手順・ルールに則り住民投票や議決がなされたように見える。そしてリコールの動きや上記の県知事の否決に対する非難めいたコメントは、手順・ルールを納得して実施したその結果が思いどおりにならなかった、それが面白くないと反対派を非難しているように見える。はじめから合併のみが是と決めてかかっているようである。
また報道された名前を見ると上屋久町の合併協議会の委員がリコールの動きの中心人物らしきも気になるところである。問題点を残しながら住民投票・議会提案を急がせすぎた合併協議会委員も責任を感じてくれなければ困るのに否決議員に怒りまくっている。上屋久町内の権力争いなども影響しているのかもしれない。上屋久町側にあるのではと思われる協議項目に現れていない問題意識あるいはしこりを明らかにして、それを解きほぐすことが先決かもしれない。
No.112 屋久島(64):両町合併のこと(1) (H15.02.10)
No.165 屋久島(92):両町合併のこと(2) (H17.01.10)
No.171 屋久島(96):両町合併のこと(4) (H17.03.31)
No.172 屋久島(97):両町合併のこと(5) (H17.04.04)
No.175 屋久島(98):両町合併のこと(6) (H17.05.18)
No.182 屋久島(102):両町合併のこと(7) (H17.07.05)
No.188 屋久島(106):両町合併のこと(8) (H17.09.26)
No.191 屋久島(108):合併問題まとめのこと
(H17.10.10)