屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.165 屋久島(92):両町合併のこと(2) H17.01.10)

屋久町の昨年9月の議会便りが12月中旬配られてきた。屋久町・上屋久町の両町合併について8月から9月にかけて(延15回の)住民説明会が実施されたが全町で485名しか参加がなかった。その結果を受けてどう考えるか質問されて、町長は「平成17年3月合併には無理がある」と答弁している。

その前には、町長は住民説明会で合併を推進すると発言した真意を聞かれ、屋久島として心身一体となり島の持続可能な力を構築していく最大のチャンスと考えてのことだと答弁していた。ついで、「合併協議委員会では委員の共通の合意を導き出すのは難しい」状況を踏まえてかと思われる「両町共通の夢を持てない合併は中止したら」という質問に「12月に住民アンケートを実施しその結果を判断して、必要なら1月に住民投票としたい」と答弁していた。それが最後には平成17年3月合併には無理との現状判断になったようである。(平成17年1月の今現在、アンケートや住民投票を実施するというアナウンスを耳にしていないので、その状況のまま推移しているものと思われる。)

私は、移住者として傍観者的に動きを見ているが、内心は合併して欲しくないと思っている。全くの個人的な気持ちだが、住所表示が変わるのが嫌なのである。いろいろな関係先に住所表示の変更をするのが面倒くさい。新町名が屋久町になるのなら自分には影響ないので合併でもいいのだが、今の候補の屋久島町になったら面倒である。新町名が屋久町なら今の上屋久町分だけ住所表示変更業務が発生するから、トータルの行政コストや住民の負担が軽減されるので助かる人は多いと思われる。

合併して欲しくないという気持ちで、合併協議を眺めて思うことである。情報は「合併協議会だより」しかないのだが、最近の内容を見ると合併したら行政をどうするという合併協定のことばかりのようである。かたちのはなしが多く合併をするのかしないのかについての論議が見えない。屋久町議会で「合併協議委員会では委員の共通の合意を導き出すのは難しい状況」という認識になっているのに、そういう状況であると明示する記事が見受けられないのである。それを見せないで住民アンケートや住民投票実施もないだろうと思ってしまう。

私の感覚では、「屋久島」は外から見れば両町の区別はなく屋久島だった。多分今も外の一般人からはそう見られているに違いない。商経済的には新町名になってその名で打って出る必要も効用もないのではないかという気がする。新町の町づくり計画などに島一体となってということが強調されているが、対外的には屋久島で通っている。行政も連合を組んでいるいないにかかわらず、実質それに近いと一般人には受け取られているにちがいない。連合対象領域拡大で対応すれば合併にこだわらなくてもよさそうに思える。

だが一方「屋久島」として外から両町の区別なく見られているほどなら合併はすんなり行くという見方も出来る。しかし「合併協議委員会では委員の共通の合意を導き出すのは難しい状況」ということである。ということは両町それぞれのやり方があって、その違いを包含して今の「屋久島」というイメージができている。合併して全てまとめるとそれが崩れるということかもしれない。財政的に苦しくなっても捨てられない田舎のあり方があるということかもしれない。

もしそういうことで合併はご破算になっても、両町で合併の障害にならないとされていることについては、協力してやって欲しい。長く協議して来た結果、まとめられるとはっきりしたことは成果にして欲しい。あまり合併して欲しくない私としては、合併よりその方がよい気がしている。平成17年3月までに合併が決まらなければ財政的優遇策も受けられないらしいから、合併論議は沙汰止みになるのだろうか。

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