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  偏見ご免のたわごと編:  No.327
年金だけで生活できる_そういうひとも居るらしいが  2024.09.05
  年金だけでは老後の生活が出来ないなどと批判する意見がメディアなどで取り上げられたりしているのをいまでも見ることがある。インタビューで将来年金がもらえないなどと言う若者などの姿を放送して年金不安を煽っている。私はそれを見てメディアが年金についての認識間違い承知で不安を煽りたいだけでやっているような気がしている。

私の感じでは年金だけでは老後の生活が出来ないというはなしはそういうひとも居るという当たり前のことを言っているだけである。国民年金だけに加入のひとから見ればそれは当たり前なのではないかという気がする。それなのに年金で生活できないのなら国民年金の掛け金を払いたくないという若者もいるが、そういうひとは自分で老後資金全部を準備すると宣言しているか厚生年金に加入したら掛け金には国民年金とイコールの基礎年金の掛け金も含まれているのも知らず厚生年金に加入すれば何とかなると思っているひとかも知れないなどと思ったりしている。

何年か前だと思うが、安心して老後を送るには年金の他に2000万円が必要というはなしが話題になったが、当時厚生年金あるいは公的年金が本来はそれだけあれば絶対に老後のお金は足りる制度だという誤解をしているようなひとが結構いるのだなと思った記憶がある。公的年金は利益を考える民間保険よりは得だが、それだけで現役時代と同様の暮らしができることを保障しているわけではない。

民間保険と違って給付には税金からの充当分もあるのだから公的年金はそれだけ得なのだが、それでも基本的には生計費を補完する性格のものであることに変わりはない。年金額が生計費を上回っているひと達がいるのは確かだが、それにしても年金をもらって貯蓄で補って人生を経済的に黒字で終えようとしているひとがほとんどではないかという気がする。

そしてひとそれぞれの収入と貯蓄により状況は異なるわけだから、それぞれのひとのライフプランも異なるわけである。私の場合は年金や貯蓄あるいは資産運用で死ぬまで金融資産は黒字であって欲しいと思って生活をして来た。現役時代は平均寿命までの毎年の収入と出費額を想定し平均寿命時に収支が黒字であるようなライフプランを立てて毎年更新して来た。そして身の丈に合った生活レベルで家族を養い将来も金に困らないようにと考えて暮らして来た。

その後あるときからは突発出費を想定せず通常出費のみで110歳まで黒字であれば死ぬまで大丈夫という記事か何かを見てそういう内容のライフプランに変更して毎年、前年末の金融資産残高を初期値にして各年の予想通常出費額を見直し110歳まで黒字で過ごせるかチェックして来た。赤字になる場合は金を増やす工夫が必要だから金融資産のポートフォリオを組み直すなどしてきたわけである。損もしたがトータルではいまのところいまくらいのケチケチ生活で死ぬまでは心配ないのではというくらいになっている。

また、年金だけで十分暮らせるという本も出ているようなのだが、いつのデータだか知らないが厚生労働省のデータによると、年金のみで生活している世帯は44%ということである。そうだとすれば年金だけで暮らせる暮らせないはほぼ半々だから、当たっているとも言えるし当たっていないとも言えることを言っているに過ぎないわけである。そして厚生労働省のデータでいう年金のみで生活しているとは、年金以外収入がないという意味なのか年金で十分生活費を賄えるという意味なのか分からないが、いずれにしても生活出来ているというのだから年金だけで生活のやりくりをして生活に困っていないひとがそれだけいるというわけである。

そして年金生活世帯の残り56%が年金と仕事の収入あるいは貯蓄などの切り崩しで生活しているのだとすれば、わが家はその56%の中の1世帯ということになる。わが家の場合は家の修理とか車の買い替えあるいは療養費など生活費以外の突発出費を含めた生涯支出を年金と貯蓄などの切り崩しで賄い死ぬまで金に困らないように考えながら暮らしているわけである。

年金支給日のあとの8月19日、あるテレビの午後のワイドショー番組のインタビューで年金暮らしだが困っているひとを取り上げていた。気になって見ていたのだが、自分にまつわる理由で困っているひとつまり自分の事情あるいは決断などで困ることになったひとのはなしが主だった。私は年金暮らしで生活に困るとはどういう意味なのか、そして困っていても生活しているわけだからどうしているのか知りたかったのだが、普通に働き暮らして来たひとが年金暮らしになって困る事態がどういうところに起因していてそれをどう乗り越えているのか、それらを探るわけでもなかったので私には全然参考にならなかった。ただの個人事情の人生模様を写すだけだったから、その番組では年金暮らしで困っているつまり56%のうち本当に困っているとはどういうことなのかよく分からなかった。


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屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編:
  No.47  田舎暮らしのコストのこと  [2001(H13).04.16]

  No.49  ライフプランのこと  [2001(H13).04.30]
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