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11月29日、屋久島東側にある屋久島空港の沖合に米軍の横田基地配備のオスプレイが墜落した。わが家からは多分20km以上離れていると思われるが、翌日はわが家付近の沿岸を空から捜索しているヘリや飛行機が低空で飛んでいるのが見られた。ある日には沿岸沿いにゆっくり往復する艦船の姿も見られた。
現時点で乗員8名のうち7名は遺体収容されているが1名が不明で捜索が続いている。破片はいままでにも回収されているが、墜落機体の主要部分の回収は12月25日から行われ27日には機体の一部が回収されたようである。
能登半島大地震のような大災害時には情報は途絶し町がどう動いているかなど分からない状況になる公算が大きい。町がそういう場合にどう動いているのか局所的事件なら見えやすいはずだから、今回これから何か大きな事態の際はこう動いてくれているから救援・救助を待てばよいと信じるに足る動きをしているか見るによい機会である。そういう私の興味から、私が知っている事故後昨年末までの、政府、鹿児島県、屋久島町の動きを以下追ってみた情報を以下に記してみる。
11月30日朝、政府は、米軍横田基地に配備されている米空軍の輸送機CV22オスプレイが鹿児島県・屋久島沖で墜落した事故を受け、国内に配備された米軍のオスプレイの飛行を安全が確認されるまで中止するよう米側に要請した。ただ、その後も沖縄県に配備されるオスプレイは飛行が継続している。
11月30日、松本防衛大臣政務官が鹿児島県入りし、塩田知事や屋久島町の荒木町長らと面会した。
松本政務官は、「住民の皆さんに大きな不安を与えた」と述べ謝罪。
塩田知事は「事故発生の衝撃は県民にとって大変大きく、誠に遺憾である」と伝え、「原因究明やオスプレイの飛行一時停止などを米側に要請」するよう求めた。
11月30日、17時30分頃から、防衛大臣が今般の屋久島沖での米空軍のCV-22オスプレイの墜落に関してラップ在日米軍司令官の訪問を受け、「飛行に係る安全が確認されてから、飛行を行うよう要請」するとともに、「早期の情報提供」を求めた。米側からはオスプレイの飛行停止の申し出に対して確たる発言はなかった。
12月2日、塩田知事は、米軍が救難活動のためにオスプレイを派遣したことに対し、「安全に万全を期し、陸上を飛行しないことを米側に要請」するよう九州防衛局に申し入れた。
12月4日、やっと町役場が調整に入ることになったらしい。
100人以上の陸上自衛隊の隊員が入島し災害派遣の車両が行き交うが、いくつかの公民館は捜索拠点になった。また漁協に事前説明なく港を捜索拠点にしたり、非公開で初面会し協力要請するなど捜索活動にまつわり様々なトラブルも続出し、米軍が地元漁協に謝罪したらしい。
12月7日、アメリカ軍が、すべての種類のオスプレイの飛行を停止したと発表。
塩田知事は、「本県の申し入れを受け止めていただいたものと考えている。米軍も安全性の確認が必要という判断で飛行を停止したと思う」と述べ、そしてまた今後の対応について、「しっかりした原因究明を行っていただき、できるだけ丁寧に情報を提供するようお願いしたい」と述べました。
12月9日、捜索海域で漁の自粛始まる。
12月11日、荒木町長は、町議会の行政報告で、米軍が全オスプレイの飛行を停止したことについて「ひとまず安心、二度とこのような事故が起きないことを願うと述べ」、そしてまた「町として国や米軍に対し、町民生活に支障のないよう配慮を求めつつ、捜索活動、残骸回収を支援し、早期の収束に取り組んでいく」と述べた。
12月18日、防衛省と海上保安庁が、屋久島町を訪れこれまでの経緯や捜索活動の状況などについて初めて町議会に直接説明した。また今後の捜索や補償について説明した。
屋久島町議会は、今回の説明会に一定の評価を示したということである。
そして町議会では、事故原因が究明され、再発防止策がとられるまで飛行再開しないよう求める意見書案が示された。
12月21日、屋久島町議会は、「軍事基地のない島の近くに墜落、衝撃大きい」、「一歩間違えれば住民を巻き込む大惨事につながりかねなかった」とするアメリカ側への抗議決議を全会一致で可決した。
12月24日、自衛隊の捜索活動は終了した模様。またアメリカ海軍の救助サルベージ船が到着。25日から機体引き揚げ作業開始する。
12月25日、防衛省が屋久島漁協に漁の自粛範囲を墜落現場から半径1kmの海域に縮小することを伝えた。ただし今後も漁の自粛が解除された海域で引き続き捜索が行われる可能性もある
12月27日、サルベージ船がこれまでに回転翼や機体の右側部分も引き揚げているようだが、これまでのところ不明の乗員1人が発見されたかは分かっていない。
12月28日、これまでにサルベージ船は事故当時の飛行状況などを記録した装置・ブラックボックスも回収。午後8時半ごろ屋久島沖の現場海域を一旦離れ北上し岩国へ向かった模様。
以上、災害時の危機管理体制を見るによい機会だと思って見てみたのだが、住んでいる屋久島町で起こったことについて町からの情報があまりないのが気になった。私が聞き逃したのかも知れないが、町の姿勢や対応について町内放送などで周知された実感がないのも気になった。
補足1: 外国からの攻撃想定_避難訓練の 計画
2024.01.11
ある報道関係サイトのニュースに、計画されていた避難訓練は18日に実施するが、住民参加は取りやめたという記事があった。こういう情報はどこかに公表されているのだろうがわが家あるいは私には届いていない。住民というのはどういうひと達なのだろうか。町民に周知されず選ばれた一部住民と関係者だけが知っているのだろうか。
補足2: オスプレイまた墜落_設計コンセプトはよかったが乗りたくない
2024.12.14
米軍のオスプレイが昨年11月、屋久島沖に墜落し全搭乗員8人が亡くなった事故を起こしたことは私の記憶に残っている。そのオスプレイがまた墜落事故を起こした。そして屋久島の事故と同様の故障が原因らしいとの報道があって、私は日本保有ののオスプレイについてその安全性が気になっている。
今回の米軍のオスプレイ墜落事故は2024年11月の沖縄での墜落事故である。その原因は機体の制御に重要な役割を果たす変速装置の故障とされ、この部品は機体の制御に重要な役割を果たしておりその故障が飛行の安全性に直結するとして同様の技術的問題が他のオスプレイにも波及する可能性があるため予防的措置として現時点飛行停止が命じられているようである。また最近陸上自衛隊のオスプレイも地面接触事故を起こした。これらはさらなる機体の設計や運用に関する見直しが必要な機種であるということを示しているようである。
オスプレイの本質的な問題は革新的な設計がもたらす複雑性とそれに伴う整備・運用の難しさから他の航空機並みの信頼性を確保出来ていないことにあるようである。問題の解決に向けて取り組んでいるとは言え、より単純で堅牢な設計に変更できるわけでもなくオスプレイの本質的問題がなくなるわけではない。私の印象では、維持に金が掛り操縦も難しく信頼性が比較的低いとなれば、あまりよい機種とは言えない。金が掛り事故も起こりやすい、そしていつ本質的問題を乗り越える改善設計が得られるかの見通しもないのではないかという気がするわけである。本質的問題なのだからその本質設計を変えない限り本質的問題は残るわけである。
設計コンセプトはよかったが、技術が追いついていない機種という感じがする。こういう機種に私なら乗りたくない。多分乗組員だってそう思っているのではないかという気がする。そういう機種は早期に運用を止めて、もっと信頼性の高い他機種による想定任務の運用システムを構築した方がよい気がする。開発したのだから何が何でも使って行こうと意固地を張っている誰かがいて止めた方がよいと言いたいひとがいても口をつぐんでいる感じがしてしようがない。
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