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昨日10月1日6機のオスプレイが岩国から沖縄の普天間に移動したというTVニュースで飛行場前で反対を叫ぶ人たちの様子が流れたあと、宜野湾市の市長が反対を押し切って強行するのは遺憾だ、本土の人たちや中央の政治家は沖縄のことをもっと理解してほしいと言っている場面があった。前後の脈絡が分からないので間違った印象かもしれないが、どうすれば解決に結びつくのかよく分からない、何しろ反対という印象を持った。
私がオスプレイ関連で感じていることを幾つか並べてみる。その一、今の情勢ではアメリカが沖縄を戦略的に重視していることは北東アジアの安定をもたらし、日本の国益にも沿うことである。また日本人は今の国を守りたいと思っていると思っている。その二、オスプレイの安全問題についてであるが事故を起こせば、まずパイロットその他のアメリカ人が死ぬ可能性があるということだから、それなりの安全性が確認されていると見て良いのではないかと思われる。その三、普天間飛行場は周囲に人家・民間施設が密集し、無いとは言えない事故の際は危険である。そこで辺野古に移転するはなしが進展していたのにその実現が遅れている。戦略的に沖縄が重要との観点からすれば、普天間の周辺人家・民間施設を他の場所に移転するか飛行場を移転するしかないのではないかと思われるのに、どちらもダメだと言うのでは解が無いことになる。
そこで前掲の宜野湾市の市長の言葉である。本土の人たちは沖縄のことをもっと理解してほしいと言っている意味である。私としては今の段階でのオスプレイの配備に反対しているのは沖縄の負担を本土の人たちがどう担うのかを問うている一環でのはなしだとしたら解決の道はあるように思える。反対運動が自由にできる民主主義を守ることも含めて国益を守ろうという気持ちを沖縄の人達も含め日本人皆が持っているということであれば、今の段階では沖縄にオスプレイの無いとは言えない事故の危険をどう減らすかあるいは騒音などの被害をどう軽減するかが課題である。そうであれば辺野古などへの移設や補償その他の政策折衝になる。
宜野湾市の市長が言う本土の人たちと中央の政治家が沖縄のことをもっと理解せよという言葉の意味が、精神的な意味であり沖縄になんであれ受け入れることは反対であることを理解せよというのであれば、中国や韓国の歴史認識を改めよという非難問題に似て解決の道はないに等しいことになる。前後の脈絡が分からないので間違った印象かもしれないが、私は宜野湾市の市長の言葉にそういう印象を受けてしまった。そしてもう少し具体的な解決に結びつく、すなわち折衝可能な意味合いを含む言葉であって欲しいと思ったのである。
中国が尖閣にいまチョッカイを出しているのは、日本への圧力というよりアメリカが尖閣を守るか日本を捨てるか威力偵察しているという見方がある。アメリカが北東アジアから手を引くかどうか見極めたいということである。日米同盟が消滅し日本が中国勢力圏に入るというのは、今の中国を見ていれば喜ぶことではない。となれば日米関係を維持強化するしか今のところ選択肢はないわけである。これが沖縄ではない本土に住む私のような人だけが思っているのでなければ良いのだが。
補足: TPPの本質とは対中國を睨んだ環太平洋諸国の同盟
2015.06.06
「人に強くなる極意(佐藤優著・青春出版社刊)」を読んだ。その中に「TPPの本質とは対中國を睨んだ環太平洋諸国の経済・軍事同盟。さらに対EUも視野に入れたブロック経済体制の構築」である。「そこから日本が外れることは考えられません。もし参加しないとしたら、それこそ日本が存続できるかどうか。それくらいの大きな問題」とあった。そして本来国益を考えるべき政治家が選挙のことばかり考え対応を先送りしてきたことを嘆いている。
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屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編:
No.254 テロ特措法のこと [2007
(H19).10.22]
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