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沖縄県知事が主権回復の日の式典に欠席したが、その理由は沖縄県を含む地域がアメリカの信託統治に付され沖縄が本土から切り離された屈辱の日であると考えているからだということである。それに関連してあるブログで講和条約は沖縄本土復帰の第一歩なのであって、それがなければ沖縄は日本に復帰できなかったということを理解する必要があるという記事があった。
日本は敗戦により主権に制約が課せられていたから、講和条約に際して日本の思いの通りにはいかず沖縄などがアメリカの信託委任とされたわけである。主権制約下で締結された講和条約で日本政府の主権が回復したからこそ、その後の沖縄返還交渉が可能になったし、その結果沖縄の本土復帰が達成されたという内容である。この説明は納得性があると思われる。
沖縄は屈辱だと言うが、それならずっと占領地のままで良かったというのか。返還交渉で条件が付けられたが、それを日本政府が飲まずずっと占領地のままで良かったのか。沖縄はそういうことをどう考えているのか答えないといけない気がする。日本政府は沖縄の痛みに対しかなりのことをやって来たように私には見える。返還に付随する条件などの緩和はして行かなければならないが、相手あってのことである。
沖縄は政府と最終的な沖縄の姿を共有し、それに向かってその時その時で現実的に出来ることを解決していくしかない。仮にすべて沖縄の思い通りが正しいにしてもそれが一挙にそうなるものではない。復帰した日本が日本として存続することを前提にして考えているならば、一歩でも良い方向に向かえばそれをなすべきではないかという気がしてならない。すべて満点でなければ改善の方向に向かっていても反対では困るわけである。
補足1: 辺野古埋め立て承認
2013.12.28
沖縄県仲井真知事が辺野古埋め立てを承認したそうである。私は一歩でも良い方向に向かえばそれをなすべきではないかと思っているから、現状改善に何の現実的改善案も持たずその決断を批判するひとや勢力にはうんざりしている。
補足2: 普天間・辺野古問題についての発言紹介
2014.01.13
以下、普天間・辺野古問題についての武田邦彦氏の発言を私なりに解釈して紹介する。(元資料:中部大学・武田邦彦教授のブログ記事
2013.12.29)
まずは情勢の現状認識であるが、
1)中国の最近の動きを見ると、沖縄に軍隊がいないと中国は尖閣諸島と沖縄を占領するだろう。
2)そして、単独で日本を防衛するのはかなりむつかしい。普通に考えるとアメリカと同盟を結び、中国の侵略に対抗する必要がある。
そこで必要な沖縄・日本の基本的姿勢としては、
1)沖縄の人は沖縄が日本の方が良いのか中国の方が良いのか決めなさい。
2)沖縄の人が中国の方が良いと思っているなら無理に引き止めない。
もし沖縄の人が日本の方が良いと言うならば、
1)沖縄を守るに基地はいる。
2)尖閣を守るに航続距離が500キロメートル以上ある機材(例えばオスプレイ)に代える必要がある。現有機材では不可能。
そして辺野古の埋め立てについては、
辺野古の基地は学問的によく検討して環境を破壊しないように埋め立てをすることはできる。
ということであるが武田邦彦氏としての考えでは、日本を今とりまく情勢に対応して行く現実的な解決策は、平和憲法を守り、自衛隊ぐらいの軍事力で我慢し、アメリカと同盟を結び、日本とアメリカの関係を良くして、沖縄、長崎、福井、金沢のように中国が攻めてきそうなところを防衛するところに落ち着く。沖縄については、沖縄の人が中国より日本の方が良いならば、沖縄・尖閣を守るための基地や機材は必要だ。また少しでも負担軽減になる辺野古埋め立ても進めざるを得ないしそれは可能である。と言っているわけである。
(関連記事)
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.58 馬毛島・米軍艦載機離発着訓練場候補地 (2011.07.11)
No.204 日本の方がよいか中国の方がよいかが問われているか (2014.01.14)
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