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  偏見ご免のたわごと編:  No.184
法律などの立案_例えばFMEA的事前検討は 2022.12.01
  今国会でいわゆる旧統一教会問題の被害者救済法案が審議されているのを見ての感想だが、自民党提示案のころから何となくこなれていない印象が強かった。法律となったらどう機能しなければいけないのか、そして法案作るにあたってそれがうまく機能しない場合はどんな問題が発生するのか網羅的に挙げて、それらをすべて潰すためにどういう風に作ればよいのかを検討して最終的に最大限不具合のない法案に仕上げないといけないと思うのだが、弁護士などに既知の問題にさえ機能しないのではと言われるようでは、心もとないなという感じだった。

私の設計・開発での経験だが、ある機能部品アッセンブリーを開発するにあたっては例えばFMEA(故障モード影響解析・Failure Mode and Effect Analysis)でその部品が機能しない場合を網羅的に挙げてその故障が発生しないようにサブアッセンブリーやその構成部品の設計仕様をチェックする。構成部品ひとつづそれらが機能部品アッセンブリーの不具合につながらないよう事前検討するわけである。私の経験ではそれはまず故障モードを網羅的に挙げることが出来る技術力があるかどうかが勝負である。そういう力があるのかどうかと今回の法案立案経緯で気になってしまったわけである。

私は例えば憲法学者についても、それも9条についての議論を聞いたりして、そういう印象を持っている。憲法はいかに機能しないといけないのか。それは憲法より上の憲法をつくる目的である。私が思うにそれは国民などで構成されるいわゆる国家を安全で豊かな暮らしの出来るようにすることである。憲法(機能部品アッセンブリー)に現実世界(使用状況下)でその機能を果たすべきときに不具合が生じる懸念があれば、例えば9条(サブアッセンブリー)そして個別の条文など(パーツ)の仕様を見直し不具合を最小限に抑えるようにしなければならないわけである。サブアッセンブリー(9条)あるいはパーツ(条文など)に不具合を発生させる懸念があるのにそれをそのままにして置いたら製品・機能部品アッセンブリー(憲法)も故障する(機能しなくなる)懸念はなくならないわけである。

例えば憲法学者や政治家そのスタッフあるいは官僚などもいまある法律とか条文をいじくりまわして整合性の理屈を考えだすだけでなく設計・開発や工程管理の技術者のようにEMEA的な発想でものごとを改善して行ってほしい気がしている。それはやっていると言うならば、もっとその力を磨いてほしいと思うわけである。たいした実績もないかつての技術者の私でもそんな感想を持ってしまったのである。

注: 故障モード影響解析(FMEA)とは 
故障モード影響解析(FMEA_Failure Mode and Effect Analysis)は、故障・不具合の防止を目的とした、潜在的な故障の体系的な分析方法


補足: 
少子化問題_その大元の関連諸問題を含め総合的に分析して欲しい
2022.12.11
今日のテレビ番組、NHK日曜討論で少子化問題が取り上げられていた。その討論を聞いていての私の印象では、世の識者や政治家が多分自分でなぜ少子化問題が起こっているのか全体的に捉えてはいてその場ではいろいろな問題の関連は意識しながらも個別に論じているので、それらの対策案などで問題が解決するのかどうかよく分からなかった。
そもそも少子化が問題と考えられる大元のあるべき姿があって、それから乖離した好ましくない状況の一つが少子化なのではないかと私は思うのだが、それならば大元のあるべき姿になるのを阻害している要因を分析して、その分析から得られた何をどうすればこう改善されるという対策案が出て来ないと、的外れとか相互に関連することについて片手落ちで効果が出ないとか、なるほどという説得性がないわけである。
議論が本文に挙げたような分析手法などで検討した結果に基づき行われているならば私の思い過ごしということになるが、そうなされているのならばその検討過程を示して安心させて欲しいと私は思っている。


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