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  たわごと編: No.344  
  2016.05.09 後期高齢者目前_保険証の有効期限が誕生日前日まで  
 
  1月下旬、2月から切り替わる国民健康保険証の交付があった。2月になって医院に行ったとき何気なくその保険証を見たら有効期限が1年後ではなく今年の誕生日前日までになっていた。それで今年誕生日が来れば後期高齢者となるのだと自覚させられることになった。4月も終わりに近づいたころ今度は役場から平成28年度特定健診の案内が来て、受診券に有効期限が書いてあるのだがこれも今年の誕生日前日までとなっていた。妻の受診券の有効期限は今年度末の平成29年3月31日となっていた。後期高齢者とされるとどうなるのか知らないが、扱いが変わることになると思われる。

一昨年の運転免許更新では3年後に後期高齢者になっている者は、高齢者講習を受けなければならなくなって、さらに新たな免許証は有効期限が3年になってしまった。そのときは公共交通機関の満足なサービスもない離島で日常の活動・行動に車は欠かせないのに、高齢になるほど車での移動が不自由になり兼ねない施策をなぜとるのかと憤懣やる方ない感じがしたものである。高齢者を邪魔扱いせず、まず道路・自動車・その他の環境整備をしたり高齢者に負担をかけない免許更新方法をなぜ考えないあるいは考えて来なかったのかと思ったものである。

労働環境の変化に促進され核家族化が進んでしまった今の時代、同じ土地で子が親の面倒を見ながら働き暮らすということは難しくなっている。わが家で言えば、私は長男だったから親も自分も、私が親が亡くなるまで一緒に住み面倒を見るという意識を持っていたし、そのようにして生活して来た。自由に羽ばたきたいという気持ちがなかったわけではないが、幼いころから親の生活もそうだったからそうするのが自分の役目という意識でやって来たわけである。私の親との同居を受け入れてきた妻も私と同じ意識であったと思われる。

しかし経済成長に沸いた時代の恩恵でそれなりの生活が出来るようになったわが家では子たちは私たちのそういう姿を見て育っても、その姿の影響はないようだった。世の中のほとんどの家はそういうことだったような気がする。私たち夫婦は将来子どもの世話になることはないのだと覚悟して、子どもを社会に出したら自分で考え自立した人間になるようにと経済的縁は切ったようなかたちで親密ながら独立した家庭同士であるという関係を目指すことにした。そして自分たちは子どもの世話にならず人生をまっとうする手立てを講じていまに至っているわけである。それが国家が進めたかあるいは社会の流れの結果か知らないが、核家族化の行き着く先だと思い定めたわけである。

そして夫婦二人で田舎暮しを始めて20年余、年をとり後期高齢者も目前となった。かつて自分たちが親を世話して来たように子たちが私たちの世話をするような老後はない。そういう高齢核家族になるわけで、さらにその上移動手段も制限を受けそうな不安も出て来ているのだが、それを補完するシステムはないあるいは考えて来られなかったようである。例えば便利で安全な場所に高齢者を経済的負担なしに住み替えられるようにでもしなければ、足をもがれる高齢者は困るわけである。

運転免許の更新だけのはなしに限らず、高齢者たちがかつて作り上げた便利な社会の恩恵を受けて育った世代が高齢者のいない核家族中心の社会を前提として、高齢者を邪魔者あるいはお荷物として制約を課すという発想で仕切っているなどと思いたくない。医療制度の後期高齢者という概念は今後社会の色々な仕組みに波及していくことが予想される。そして後期高齢者はどういう暮らし方の変化を強いられるようになるのか、どんな社会からの扱われ方をされるようになるのか。後期高齢者はより楽しく安穏で便利に暮らせるという称号なら大歓迎だが、どういうことになるのか少々気になっているところである。

補足: 
敬老会への招待状
2016.09.10
敬老の日の19日行われる集落の敬老会の招待状が昨日来た。まだ誕生日は来てないが今年度後期高齢者になる人間までが対象のようである。昨夜はそのうち死ぬ後期高齢者だと宣告されたようで鬱々として気分落ち着かず、寝付くまでかなりの時間かかった。まだまだ自分としては心身に問題もないので、生活に助けがいる状況になるまでは今までどおりの意識で暮らしたい。それが出来なくなるまでは敬老会出席は見送ることにしたいと思っている。



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