屋久島生活の断片・日誌編
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No.116  ヤスデのこと(1) H15.03.24)

今年1月末か2月になってからか役場の環境政策課の人から聞いたのだがヤスデが大量発生しているそうである。たまたまわが家へ用事があってきたときそういう話が出て、ついでにわが家の小さい庭石をひっくり返して見てくれたが、ヤスデはいなかった。

問題のヤスデはヤンバルトサカヤスデと言って沖縄のほうから生息域が北上してきているらしい。名前からは沖縄のヤスデのように思えるが、元はベトナムの方のものらしい。ベトナム戦争でジャングルを走った戦車のキャタピラについて来た卵がもとで沖縄の米軍基地周辺から広がり始めたと言う説が有力である。それが植木などの移動で海を越えて生息域を広げているらしい。奄美でも大量発生して問題になったようで、鹿児島県から屋久町にも調べろというような話があったらしく調べ始めた様子である。

散歩中に側溝の底に見つけた
   ヤンバルトサカヤスデ

(わが家から200M位にある
 川の向こう側まで生息域を
 広げて来ている模様)

役場の人のはなしでは小島集落で大量発生しているということだった。県道の海側にある農道沿いの平内と小島の境になっている川の小島側でいっぱい見つかったそうである。平内側でもその川沿いの数軒の家で見つかっているとのことである。噂ばなしだが、どこかで家のなかのヤスデを集めたらバケツ半分くらいあったとかそのくらい出るようになるとか、なにしろすごいというはなしも聞こえてくる。

役場の人は何も言わないが、私は集落境界の川の小島側で発生していると聞いて、発生源はそばの公園ではないかという気がした。その公園は屋久島で大きなホテルをやっている企業グループのものらしく、公園にその名を冠している。その企業グループは奄美でも事業をやっているようだから、奄美から植木などを持ち込んだことがあるのではと思ったのである。そうでなければもう一つ思い当たることがある。今は差し止めになっているが、一昨年ころ小島で土地改良工事が行われていた。そのときの重機やダンプなどが奄美あたりで使われていたものだということも考えられないことではない。

2月も末になって、27、28日役場が40人体制で小島の恋泊から平内の民宿潮風あたりまでの県道より海側の区域についてヤンバルトサカヤスデの生息調査をするとの町の放送があった。我が家もその区域内にある。しかしわが家のほうに調査に来た気配はなかった。我が家の近くにもう一つ川があるが、それより小島寄りを調べてたいしたことはないということになったのではと思われる。その川のこちら側にはまだ来ていないようである。

3月半ば、散歩でその川の向こう側に行ったら、側溝の底に虫が浮いている。側面には動いている虫がいる。ヤスデかなとよく見ると、やはり黒と褐色が交互につながっているからヤンバルトサカヤスデである。数匹いる。石とか朽ちた落ち葉の下などにいると聞いていたが、側溝にいるということは、雨でその上流から流されてきたのかもしれない。それにしても我が家のそばの川向こう数十mのところまで来ている可能性がある。

ヤンバルトサカヤスデは刺さないが、いじると青酸ガスを出すそうで気分がよくないらしい。家のなかにヤスデが出たという小島との境に住む人のはなしでは、ヤスデがいると気配で分かるということである。なんとなくにおいがするらしい。


補足: 看板のこと (H15.03.26)

昨日散歩に行ったら私がヤスデを見つけた場所の道路反対側に看板が立っていた。

3月25日に役場が立てたらしい
ヤスデ対策の看板

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