屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.292 屋久島(153):見えていないこと  (H20.12.29)

今年2008年の屋久島で私が最も関心を持ってブログやニュースなどをウォッチしていたのは、町長疑惑事件の推移である。疑惑告発に至る裏事情や動きの流れ、当事者その他関連する人たちの相関、そして事実関係などの全体像を知りたいというのが私の関心事だったが、今や事件の方向は住民訴訟に持ち込まれた違法崖地買収事件の成否、町長を追い落とせるかどうかに集約されてしまったようである。

町民が当該行為を知り得た時点は平成20年4月だとして、平成20年6月16日付けで「中心市街地活性化事業として購入された土地(1億円で購入した崖地部分)が10年(実際は7年らしい)経過した現在も利用されていないのは何故か?」の監査請求が屋久島町監査委員にあったが、平成20年6月30日付けで却下(請求者に届いたのは平成20年7月3日)され、その後平成20年7月31日付けで「平成13年3月16日に購入した土地により被った損害について、賠償するよう求める」住民訴訟が提訴された。

被告の元屋久町の町長(現職の屋久島町の町長)が熊本の告発ジャーナルの疑惑追及に対抗措置をとらないことから、疑惑をもたれる行為それ自体は大方あったものと私は推察している。裁判では犯罪的行為の有無ではなく、町民が知ることが出来た時点が監査請求の一年以上前だったか一年以内だったかがまずは争点になっているようである。前者の場合は住民訴訟を起こす前提が崩れるので裁判却下ということになるが、被告はそれを狙っているようである。

熊本の告発ジャーナル9月号に平成11年6月1日時点で屋久町商工会内部での「エコタウンあわほ」建設反対の声の中に株・昭栄の土地買収云々ついて指摘する声があったという内容が載っているから当時から崖地を買収する計画決定は知られていたが、その後(平成13年3月16日)取引された買収額が法外なことが今年になって分かったので今の損害賠償請求になっているようである。私としては買収額決定に何か裏の事情がありそうで興味があるのだが、まずは買収額が監査請求の一年以上前に衆知のことだったか否かが、当面の問題みたいである。

私は町長の疑惑告発の動きについては距離をおいてどう推移するのか眺めている。いま特に興味があるのは被告が町長としてなぜあの崖地を購入したのかという動機である。告発にあるようにそれが悪事ということが分かっていてもすることになった理由である。私は願わくはこういうことで長年町長職にあった実績を汚すには当人なりの私利私欲ではない訳があると思いたい。だから裏に何か田舎あるいは地方に対する制約があってそうでもしなければ解決出来ない問題を抱えていたのではないかと気になるのである。

むかし安房の開発計画で海の道・山の道だか海の入口・山の入口だかとその間のIT芸術村みたいな、どこかの省あるいはその関連団体だったかが絡んだ構想があって、国の役人か誰かが来て安房の総合センターで構想の発表があった。人聞きで私は具体的内容を知らないがその方向で開発が行われるのかと思ったら、その後「エコタウンあわほ」というAコープの入った店舗主体の施設が出来るということだったので、先の構想はどうなったのかと違和感を持った記憶がある。当初の構想が今の形に変わって行く経緯の中に何か表に出せないことの発端があるのではないかという気がしないでもないのである。

補足: 裁判却下のこと  (H21.10.17)

昨日崖地買収にからむ町長への賠償請求裁判で判決が出たとのことだが、訴えすべて却下という結果だったようである。私は却下を予想していたが、その理由としては私の予想より近々の情報に基づいているようである。
 

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