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  偏見ご免のたわごと編:  No.243
核兵器無効化兵器は_原爆の日に思う  2023.08.09
  また原爆の日が巡って来た。核兵器がなくなって欲しいと全世界の大多数は思っていると思うが、保有する国があってまたそれらの国の核の傘に頼って自国の安全保障を考えなければならない世界情勢が変わらない限り、核廃絶は原爆の日のお題目であり続けるのではないかという気がしてならない。

核兵器廃絶は無理かもしれないが、核兵器を使ってもその効果が期待できないようにすることは出来るのではないか。それには核兵器無効化兵器が開発されればよいのではないかと思わぬでもない。その可能性がありやなしや。ネットにはなかなかそういう機密がかった情報はないとは思いつつ検索してみた。実現性があるのかどうか知らないが、私が見た記事では三つの案があるようである。

(その1):EMP爆弾(Electromagnetic Pulse)
EMP爆弾は人工衛星などから電磁パルスを照射する兵器。電磁パルスは敵軍の建物の壁を貫通し人間を殺さず敵方の司令塔である電子回路やシステムを破壊し無力化させる、とあった。ただし、敵基地攻撃するにしても相手は電磁パルス対策をしているから実効性は疑問のようである。

(その2)ニュートリノを使用した核無力化
ニュートリノを使って核兵器の原料である核物質を原子転換させ核兵器そのものを使えなくする。そういう方法が原理的には可能らしいということである。いま研究が進んでいるかどうか知らないが、2012年そういう論文が発表されているようである。核兵器に強い中性子線を浴びせると早発核分裂を起こして本来の核出力が出せなくなる。核爆発の威力が小さくなるだけで完全に無効化されるわけではなが、本格的核爆発するよりはずっと被害が抑えられるといういうことのようである。
(核兵器が密集してあるところでもし1発が本格的爆発したとしても、全部が本格的爆発するということではないらしい)

(その3)指向性エネルギー兵器(この可能性が高そうである)
2016年の記事だが、指向性エネルギー兵器についての技術予測では、弾道ミサイル撃墜が可能な指向性エネルギー兵器が実戦配備されるのは電磁パルス兵器で5~10年、レールガンで10年程度先になるとみられているとあった。また、高出力レーザー兵器については、これまで最大の問題点とされてきたレーザー光の大気中での拡散という問題点を大幅に改善できる技術の実現可能性が2014年実験で確認されているが、大気中の減衰が避けられず近距離迎撃用に限定され、音速の20倍程度の速度になる大陸間弾道ミサイルの迎撃には電磁パルスとレールガンが有望とみられているともあった。
日本が指向性エネルギー兵器の開発配備に成功すれば、核ミサイル保有国の核脅威、核恫喝に対し独力で効果的に対処し排除できる可能性が高まって、日本は米国の核の傘に依存する度合いが減り自主独立の国家になり得る可能性があるらしい。

そうなったとしても核兵器の脅威は消えないと思われるそうである。1発であっても数十万人以上の損害を与えることができる。そしてミサイル以外にもテロリストや特殊部隊あるいは偽装した民間機や民船などで密かに国内に持ち込まれる可能性は残るわけである。ひとたび持ち込まれた場合の核の破壊力に対する恐怖はなくならない。その意味で核兵器は依然として決定的な抑止力であり続けるだろうということである。

そういう情勢の下での日本の課題は、国境管理、離島も含めた周辺海域、領域に対する警備能力を高めることである。つまり国土を覆う警戒監視システムと指向性エネルギー兵器による防衛システムが一体となることによって日本が自主独立の国家となり得る可能性があるということのようである。

核戦争の可能性がなくなるということなら、軍事嫌いの学者・科学者や技術者もこぞって開発に協力してほしいものである。


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