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  偏見ご免のたわごと編:  No.228
G7広島ビジョン_批判するなら弱い日本を責めるのでなく  2023.05.29
  G7広島ビジョンについての私の感想である。あるいはそれに対するいくつかのコメントに対する感想である。私は核兵器のない世界という究極の目標に向けたコミットメントを再確認と言うしかないことは理解できる。そして核保有国を含むG7が広島でそう言明したことは大きいと思っている。核廃絶の道筋を具体化出来なければ意味はないという批判をする向きもあるが、G7は少なくとも道筋を付けたいと思っているわけである。そしてそれを阻んでいるのは、ロシアや中国その他の核保有国であるということを言っているわけである。

核兵器を廃絶するために具体的に行動してくださいと言われたって、全核保有国が廃絶すると決意するまでにはそれなりのプロセスが必要である。そして広島ビジョンでは特にロシアと中国が具体的に核兵器のない世界への決意を持って核廃絶プログラム策定に参画しない限り難しいと言っているわけである。そしてそうなるまでは現実の中で可能な努力をしようと言っているわけである。

核禁止条約については、それを批准しているのは非核保有国である。これらの国は核を持っていないのだから使いもしないのは当たり前である。そして大国の核の傘のもとにある国や核保有国は批准しないのは核保有国が核を外交のバックアップにせざるを得ない現実があるからである。全ての核保有国が核削減に合意し最終的に全面核廃棄し核禁止条約を批准することにでもならない限り難しいわけである。

私は日本人だから日本に対し日本人が何か批判するのは何でも言いたければ言っても我慢して聞いてやるが、外国のジャーナリストや核禁止活動団体などものを言って飯を食っている人間が日本に言いたいことを言っているのは我慢ならない。例えば、ある活動団体のお偉いさんが、核保有国と非保有国との橋渡し役を掲げる日本に対してある意味核保有に加担していると非難して現状を変えるつもりがあるなら、核兵器禁止条約を支持するのが唯一の論理的な選択だと述べたらしいが、核を持たない日本が核削減を推進できないと攻め立てたってそれは筋違いである。攻め立てる側は自分たちが傷つけられないと分かっている弱い相手だと踏んでいるから日本あるいは岸田総理に文句をつけているのである。

そういう活動団体などは、ロシアや中国で命を張って核禁止条約を批准しろと間断なく主張し活動したらどうか。日本のせいで核廃絶が実現しないわけではない。それなのに日本に来て核保有国に核禁止を決断させられない日本はだらしないと言って、核を持たない弱い日本を責めるわけである。私はそんなことを言うなら、日本ではなくロシアや中国に行って核禁止を説き核廃絶に導く活動をしたらどうかと思うわけである。自分たちが言いたいことを言えるところでしか活動しない、正義あるいは正論を言ってそれを飯の種としている偽善者でないなら、弱いものを責めるのでなく例えばロシアや中国で命を張って活動する姿を見せてみよと私は言いたいわけである。これが私の主な感想なのだが、一部ジャーナリストとか活動家などのコメントに対する違和感があったのである。


補足: 広島サミット_日本の広島ビジョン以外の成果は
G7は当たり前のことを確認したが他国はそれぞれ国益優先路線を守った感がある。岸田首相はG7の体裁を保つために努力したと思うが、日本の国益はどうなるのか、グローバルサウスのG7の上目線への不信感は改善されたのかとなると少々疑問が残る。折しもメディアでは首相長男の秘書官の公私混同した行動が問題化して首相の判断力・決断力に疑問を投げかけられている。「売り家と唐様で書く三代目」という川柳があるが、その長男は何代目か知らないがその資質を見抜いてクビにでもしないと、首相の信頼が揺らぐかも知れない。
(追:2023.05.30 昨日、岸田首相は息子でもある首相秘書官を解任したそうである。)


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