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9月21日に配信されたあるメルマガに、大好きではない仕事は60歳で辞めよというようなことを言っている本かなにかの紹介記事があった。
その記事によれば、60歳というのはQOLが高い人生があと10年しかない。だからそれを考えたら60歳で辞めるのがよいということである。2021年の時点では男性の健康寿命は72.6歳、女性の健康寿命は75.5歳となっているが、それは平均値だから実際は男女とも健康なのは70歳までと考えておくのがよいというのがその理由らしい。そして60歳で仕事を辞められるよう若いうちから準備しておけということのようである。
私は50歳前半の時期に都会での仕事を辞め移住して来た。その後地元の会社で仕事をして58歳で辞めた。私は20代前半転職二回目の職場で自分はこの仕事が好きだと思える仕事に就いたのだが、それなりに苦労もあって年を経るに従いプロモーションとか人材選別の波をうまく乗りこなすことが出来ず、会社人生後半はあまり好きではない仕事をそれなりに一生懸命ではあったがしている状況だった。
その間に私は、一応55歳で会社を辞めるということにして、子供にそれまでに独立してくれるよう促しながら、退職後の人生の準備をして来た。そして娘が結婚し息子が就職する目途がついた年に退職した。その翌年に、90歳前の私の父親と私たち夫婦の3人で屋久島に移住した。
公的年金をもらえるまでの繋ぎで入った個人年金はあったのだが、なるべく余裕資金を減らさないで済むようにと移住して半年くらいに地元の会社に就職し58歳で退職した。好きな仕事をしてというわけには行かなったが、まだ60歳前だったしその就業時間を除けばいろいろ好き勝手なことをやる時間は十分あったから、以前と比べれば比べ物にならないほど楽しい日々に恵まれた。
父が93歳で亡くなったあと、私は今回の記事で言うところのQOLが高い人生があと10年しかないという60歳になった。結婚して私の両親と弟二人も同居のところに子どもが二人生まれそのときに至るまで夫婦二人の生活はなかったのだが、父の死後初めて夫婦二人の生活になった。妻はどう思っているか知らないが、私としては夢のような日々を以来過ごして今に至っているわけである。今年、私は80歳となるがそんなにQOLの低下はないようだから、まだしばらくは大丈夫そうである。私の場合QOLの高い人生が20年は続いていることになる。
厚労省が令和2年に公表した簡易生命表によると、私80歳男性の平均余命は9.42年(つまり89歳前後で死ぬということ)、そして70代半ばの妻は70歳女性の平均余命20.49年(つまり90歳前後で死ぬということ)と80歳女性の平均余命12.28年(つまり92歳前後で死ぬということ)の中間と見るとして、二人とも90歳前後で死ぬことになりそうである。あと何年QOLの高い人生が続くのか気になるところである。
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