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  たわごと編: No.415  
  2017.08.07 攻撃手法_野党や韓国そしてマスコミ  
 
  よく野党が言うまだ論議が尽くされていないという言葉がある。例えば法案審議で委員会採決になったときや疑惑解明の質疑などのあとによく聞かれる。その言葉を私なりに解釈している意味は、自分たちの思い通りにならなかったから、自分たちの思い通りと納得できるようになるまで論議を尽くせということである。法案と関係ないことを取り上げて時間を浪費したりして法案の論議をおろそかにしながら、自分たちの思い通りの決着に至らない場合など特にかなりの頻度でそういう言葉を聞く機会が多い印象である。

次に日韓慰安婦合意のことである。従来日本政府は韓国の主張に譲れないからその論議はあいまいにして解決を図ろうとして来た。そして今回合意で政府同士が最終かつ不可逆と確認したわけである。ところが新政権になってその韓国政府が、国民の大多数が情緒的に受け入れられていない現実を認め両国が共同で努力し問題を賢く克服していくことを望むと、可逆的ともとれる発言をしている。

韓国政府が国内の情緒的感情云々と言って最終合意に異論を持たせるように国民の情緒を扇動するようなことを言い始めているわけである。政府が国民を煽ってまだ終わっていないと問題を蒸し返そうとしているようなのである。政府として自国民の情緒を最終合意に異論を持たせないように抑制する意思の表明が最終かつ不可逆の合意の意味でもあり、それを韓国政府と日本政府が交わしたわけである。その韓国政府が自国民の情緒の抑制をすべき自らの課題を日本の課題にすり替えようとしているわけである。

さて上記で、私がなぜ野党や韓国のはなしを取り上げたかと言えば、両者に共通して自分たちは正しいという前提に立ちすぎている感があるからである。あるべきと思っている姿勢や主義・主張あるいは価値観や情緒に現実を合わせようとする感じがするのである。自分たちの思い通りにならない限り納得しない。そして納得しない思いを引きずる。多数決とか合意とかしたとしてもそれは形式的なものと思っていて多数決や合意を尊重しないから、異なる意見や事実認識を持つ者の間の対立は以前と変わらない。

そして相手が自分の非を認めるまで手を変え品を変えて攻撃を仕掛けることを止めない。攻撃はそれを仕掛ける側が主導的な立場にあって、自分たちがこれを問題化しようという意図で怪しいと言い始め争点化すれば事実がどうであれ攻撃が始まってしまう。受ける側が事実はこうだと反論し攻撃側がそれに反論できなくとも本筋と関係ない過去の出来事や反論の姿勢などに難癖をつけ、本筋の解決に持ち込ませない。またそれに反論すればまた同じような展開に持ち込み延々と相手が非を認めるまで続けようとする。

そしてその間の相手の反論・説明に少しでもミスやつじつまが合わない点が出て来るとそれが争点にしたかった本筋のはなしと関係なくても、そういうミスなどをするということはごまかそうとしているからだと言い張って争点化しようとしていたことに非があるからだと決めつけにかかる。説明に理にかなわない点があるのは相手が嘘を言っているからで怪しいと指摘していることは本当なのだというはなしに持って行く。そしてまたいくら反論や説明をしても相手が自分の非を認めない限り、納得された説明がされていないと言い募る。

攻撃する側としては、嘘をついていることを認めろ、そして争点としたことについて非を認めろ、そうでないと納得しないぞ、と言っていることになるわけである。多分、相手が非を認めるか倒れるまで止まない。こういう手法はどこが先にやり始めたものか知らないが、私にはマスコミの争点化と追及の手法と同じだと感じられる。特に左翼的マスコミにその傾向が強いが、野党はまだこういうやり方に疚しさがあるのか中途半端に実行しているように見える。また韓国はそれを忠実に実行しているように見える。私はプロパガンダ的手法だとの印象を強く感じている。

そういう手法においては、攻撃を受ける側よりする側が主導しているので、私たちは攻撃側の主張に引きずられがちである。そうであればこそ、私たちはその攻撃側の思っている自身のあるべき姿や主義・主張あるいは根底にある価値観や情緒にまで思いを及ぼしてはなしを見て行く必要がある。身近のひとのはなしでも理解できていないときが多々あるのに、自分がこうだから他人や他国の人間が自分と同じ思考形態だと思って見ているとものごとを正しく見ることが出来ないこともあると、私は自戒している。


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