11月ころに出始めるヤンバルトサカヤスデが、暖かい日が続き雨が降ったあとの23日に1匹寝室に出た。そして寒波が来て11月では五十何年ぶりという初雪が東京で降った24日に家の基礎周りにヤスデ駆除の薬を撒いた。その夜布団を敷こうとしていたら部屋の縁を這っているヤスデ1匹を見つけた。その翌日25日起きて布団をたたんでいたとき布団の中に2匹、部屋の入り口付近に1匹ヤスデを見つけた。そのあと朝食をとってから、家の外に出てみたら相当の数のヤスデが薬にやられて基礎周りに転がっているのを見つけた。集めてみたら273匹だったが、ムカデの小さいのも2匹いた。
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家の周囲コンクリ基礎付近のヤスデの死骸 |
集めたヤスデの死骸273匹 |
ヤスデの薬は役場からもらっているのだが、初めのころは細かい砂状のものに薬をまぶした緑色の粉だったが、あるころからそれが同様の茶色の粉になって、今年もらったものは白い粉だけみたいな薬である。いままでに比べ風で飛びにくい薬剤のようである。ヤスデがわが家に初めて出るようになった年のころにはまだ薬剤の配布もなく、私が自分で四国のメーカーを探し購入して撒いていた薬と色も使った感じも同じである。私としてはその薬が使い勝手が良いので気に入っていたのだが、しばらくして販売中止になってしまった。その後役場の薬剤配布が始まったのだが砂混じりのものは雨で薬粉が融けて流れやすいようで何回も撒いているうちに残った砂が溜まってしまう難点があったが今回それは解消された。
屋久島町では申請すればその都度薬剤一袋を支給してくれるが、それでもヤスデが大量に発生して困ったときには役場に依頼すると家の周りと敷地のヤスデの隠れていそうなところに薬液を噴霧してくれる。役場ではそのための臨時職員を雇用して対応しているようである。鹿児島県の情報によれば、平成8年(1996)度から市町村が行う薬剤散布等の駆除事業については特別地方交付税措置が講じられているようだから、財源は特別地方交付税ということのようである。
屋久島にヤンバルトサカヤスデの生息拡大が確認されたのは平成14年(2002)だということだが、鹿児島県では平成6年(1994)度から、まん延防止のためのリーフレットの作成・配布、ヤスデの効果的な駆除方法の研究、薬剤の研究・開発などを行っており、平成11年(1999)度以降は大学や民間の研究者等を委員とするヤンバルトサカヤスデ対策検討委員会を開催するなどまん延防止対策の普及啓発に努めているということである。しかしわが家の現状を見れば、いま・平成28年(2016)に至っても室内侵入対策に煩わされており、まん延防止対策の効果が出ているあるいはそういう策が確立されているという実感はない。多分ひとや環境に悪影響が出ないようにしてヤンバルトサカヤスデを完全に駆除するのはかなり難しい課題なのだと思われる。そしてその課題が解決されるまで自治体・町としては局所的・応急的対応で住民の不快感を軽減し続ける以外に手はないようである。
屋久島生活の断片・日誌編:
No.116 ヤスデのこと(1) [2003(H15).03.24]
No.127 ヤスデのこと(2) [2003(H15).08.25]
屋久島方丈記・日誌編:
No.255 下肢のかぶれ_推定原因・ヤスデ駆除液剤散布 (2014.12.01)
No.289 ヤスデ駆除のクスリ_役場で申請するともらえる (2015.06.22)
No.445 ヤスデ_12月から1月にかけて (2018.01.29)
No.473 今年前半のヤスデ_今回は小さいものばかり (2018.08.06)
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