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高齢者の運転による事故が頻繁にニュースになっている状況を受けてか、11月15日事故防止対策を検討する関係閣僚会議が開かれ首相が高齢者事故へのさらなる対策について早急対応を指示したということである。また、信号無視や逆走など特定の違反をした75歳以上のドライバーに臨時の認知機能検査を課す改正道路交通法が2017年3月に施行することを踏まえ、円滑な施行に万全を期すとともに、移動手段の確保など高齢者の生活を支える体制整備を着実に進めるとも述べたそうである。
私のような、公共交通機関の整っていないのに生活維持に要する移動範囲がそれなりに広い地方あるいは離島に住んでいる身にとっては、自家用車が主交通手段であって運転者にばかり制約が課せられるような規制は高齢者いじめという印象があって面白くない。しかし首相が移動手段の確保など高齢者の生活を支える体制整備を着実に進めると宣言しているのだから、体制整備が進まないうちは高齢者に対して現実対応で行くものと受け止めている。
離島内などは自己所有地内運転だがそれでも運転免許は必要くらいの対応をしてくれないと安心して暮らせない。検査で自分は大丈夫だという自信はあっても、生活の存続にかかわる規制が課されるというストレスは半端ではない。都会の机上で対策案を練る人間にはこの感覚は分からないかも知れない。
そもそも高齢者の運転は危険というのは思い込みのようである。これは週刊誌の受け売りだが、世の中で高齢者の割合が増えているのだから高齢運転者が増えるのは当たり前だが、運転者が増えたと同じようには事故件数は増えていないそうである。また若者より高齢者のほうが事故を起こす割合は、はるかに低いそうである。そして年齢別免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を見ると16~24歳が最も高く、65歳以上はそれより低い件数なのだそうである。
そうは言っても例えば高齢運転者の全体人数が若者運転者全体に比べ相当に多ければ、全体の起こす死亡事故件数は高齢運転者の方が多くなるという逆転現象が起こりうる。それがいま高齢者バッシングの材料みたいに取り上げられているということかも知れない。
ネットで見た高齢者運転事故関連の記事の中に、最近のある年に65歳以上の年代の人が50代(50~59歳)だった平成15年ときの事故数は15万件、40代(40~49歳)だったときは13万件、30代(30~39歳)だったときは12.5万件くらいだったそうである。また平成5年に事故数11万件だった年代・30代の人は、40代のときは13万件、50代(平成25年)のときは8万件くらいだそうである。つまり、平成15年に50代だった人たちと平成25年に50代だった人たちを比べると、同じ50代でも平成25年に50代の人たちは事故数が半分くらいしかないことになるそうである。
これは基本的に年齢が上がると事故数は減少する傾向にあるということと事故数は年齢ではなく自動車の所有率で変わるということを物語っているそうである。つまり近年高齢者の事故発生件数が増えているのは自動車の所有率が高い世代が高齢層になったからで高齢者だから事故を起こしやすいということでないと考えられるそうである。また若年層が運転をしなくなったということも考えられるそうである。そして高齢者運転の問題は自動車の必要性が高い高齢者だけに規制をかけても劇的に解決しないばかりか生き難い世の中になってしまう。検査は判断の目安や最終的な区切りとしてあっていいと思うが、免許返納を呼びかけるほど高齢者の事故数が多いわけではないのでまずは道路環境の改善が必要だと結んであった。
補足: 認知機能検査をめぐるジョーク
2016.11.23
75歳以上のドライバーに臨時の認知機能検査を課す改正道路交通法が2017年3月に施行することになったが、政府は国民の生命と財産を守る国政の重大性に鑑み国会議員に立候補しようとする65歳以上のものは、事前に認知症検査で認知症の恐れがないことを証明しなければならない、また国会議員が65歳に達した場合も認知症検査で認知症の恐れがないことを証明しなければならないという内容を含む何とか法改正案を閣議決定した模様である。今後、首長、地方議員、国家公務員、地方公務員ならびにその関連団体の職員についても同様の措置を検討していく方針らしいとのことである。またいずれは国家資格者についても拡大していくようである。
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屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.236 高齢者講習_70歳を超えての免許更新要件 (2014.07.28)
No.261 免許更新時認知症診断義務_高齢者は邪魔 (2015.01.19)
No.288 高齢者の運転免許政策_高齢者地方移住政策と矛盾 (2015.06.15)
No.413 認知機能検査_危険運転するかもと高齢者対象 (2017.07.24)
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