|
|
9月22日屋久島町の町議選が行われた。有権者数は、16日現在で1万1084人ということである。2007年上屋久町・屋久町の合併後の2回目の町議選で、今回定数20から16に4減したなかで22人が立候補して行われた。
投票率は83.54%で、前回2009年の88.91%を5.37ポイント下回った。選挙前にわが家にはビラ配りや名刺配りが3件あったり、近くに政見を流す広報車が1台来たのだが、いままでに比べるとそういう動きは活発ではなかった。前回の選挙からいままでに議員や立候補予定者が何かをネットで発信したり住民に訴える姿を見ること皆無だった。選挙期間中はわが家の前の方まで入ってきた選挙カーは1台だけで静かなものだった。その印象から報道の言う「これまでの地縁や血縁以外に浸透を図ろうと選挙戦を繰り広げた」というのは信じがたい。新聞社は過去の選挙戦評価データを蓄積していてそれと今回のデータを比較して言っているとは思えない。多分定員減だからそうだと決めつけているだけである。
ほとんどは地縁や血縁で票読みができていたのではないかと思われる。屋久島は海岸沿いに集落があって海岸から1~2kmくらいの幅で島の一周道路約100km沿いに分布している。口永良部島の2集落以外の屋久島の24集落が京都から名古屋間の直線上に、あるいは鉄道線路でなら東海道線の東京・熱海間の沿線上に散らばっていると思えば位置関係を想像しやすい。そしてこういう地域特性のもと26集落で16人しか当選しないとなれば、それぞれの集落・地区の影響力を確保しようという意識が働かないはずがない。地縁とそれに連なる血縁関係が選挙に大きく影響することになるわけである。
軽々には言えないが、そういう観点から私が投票率を見ての感想だが、よそもの移住者はそういうことを肌で感じるようになって町議選に行っても仕方ないと思うひとが増えてきて、投票率を下げる傾向になっている気もするわけである。これからも多分いわゆる正義や理想で事を成そうとするよそもの移住者は地元の状況の中であまり行政に期待せず独自の努力をしていくしかないと思われる。町議会は行政の監視が主務だから新たなものを生み出す力は弱い。状況が変わるとすれば行政のリーダー・町長が変わるしかない。それなら町長選の方が関心が高いはずだが、町長選も2007年89.95%、2011年86.55%と投票率が減っている。屋久島には変革期待の人材がいないあるいは出てこないあるいは町議選と同様に集落・地域の利害から超越した人材が選ばれにくいのかもしれない。
(関連記事)
屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編:
No.281 以前から見えていること [2008(H20).08.19]
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.356 屋久島町新庁舎建設計画が問題に (2016.08.01)
No.394 町長リコール運動の結末_庁舎建設の本音に迫れず (2017.03.20)
No.424 屋久島町議会議員選挙_女性2名当選 (2017.09.25)
. |
|
|
|