屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.183 屋久島(103):高速船のこと(4) H17.07.13)

九州運輸局が鹿児島商船・岩崎グループ(以下岩崎側という)の鹿児島・種子島航路のサービス基準不適合に対し改善命令を出した。それに対し岩崎側は福岡地裁に処分差し止めの行政訴訟を起こし、それが認められた。そこで九州運輸局はその福岡地裁の業務停止命令差し止めに対し福岡高裁に即時抗告したが、高裁はそれを棄却した。また新規参入会社・市丸グループ(以下市丸側という)は屋久島航路申請した。以下その後の動きである。

1: 最高裁抗告断念のこと  (H17.06.07)

本日、運輸局が最高裁への抗告を断念したと発表したとのことである。これによりサービス基準違反を根拠とした岩崎側に対する高速船鹿児島・種子島航路の運航停止命令は、事実上執行されないということになる。

2: 共同運航破棄のこと  (H17.06.11)

鹿児島・屋久島航路でフェリー「屋久島2」を運航する折田汽船が、岩崎側に対し9月末で期限を迎える共同運航協定を更新せず破棄することを通知したとのことである。一方、同航路での高速船運航を申請している市丸側は、折田汽船との協定締結に向け協議に入るらしい。

市丸側は、鹿児島・屋久島航路(種子島経由)開設許可を申請中で、運航基準を満たすため鹿児島・種子島航路の同社フェリーを屋久島まで運航するとしているが、折田汽船と共同運航協定を結べれば投入を中止する考えのようである。

折田汽船としては、自社フェリーの利用客減につながる市丸側フェリーの屋久島寄港を回避するために岩崎側との共同運航協定を破棄する挙に出たと思われる。これで鹿児島・屋久島航路でも岩崎側と市丸側のサービス基準などをめぐる攻防が始まることになりそうである。

3: フェリー就航前倒しのこと  (H17.06.18)

岩崎側は高速船鹿児島・種子島航路のサービス基準を満たすための自社フェリー「ぶーげんびりあ」の就航日を当初計画より3日早い27日にすることにしたとのことである。

4: 屋久島航路での新共同運航協定のこと  (H17.07.01)

鹿児島・屋久島航路での岩崎側との共同運航協定を9月末で破棄することを決めたフェリー「屋久島2」の折田汽船が、市丸側と10月から新しい協定を結ぶことになり、7月1日その調印が行われたとのことである。

これにより市丸側の高速船「ロケット」が鹿児島・屋久島航路にも就航する見通しが出てきた一方、岩崎側の高速船「トッピー」は法律で定められた航路のサービス基準を満たせなくなる。岩崎側は市丸側と折田汽船3社による共同運航協定を申し入れているらしい。

5: 市丸側の屋久島航路認可のこと  (H17.07.13)

7月12日、九州運輸局が市丸側に屋久島航路参入の許可を出したとのことである。市丸側は7月下旬に種子島航路と同じ高速船と自社フェリーを就航させるが、折田汽船との共同運航が可能となる10月以降は自社フェリーを屋久島航路から撤退するらしい。

補足1: 岩崎側のサービス基準対応策のこと  (H17.07.20)

岩崎側は折田汽船との共同運航協定が切れた後の屋久島航路サービス基準対応策として種子島・屋久島航路で運航中の自社の貨物船をフェリーに改造し、11月から同航路に投入する計画とのことである。

一方、3社による共同運航協定については、折田汽船に働きかけるため鹿児島簡裁に調停の申し立てをしたとのことである。調停がうまくいかない場合は裁判に訴えるらしい。

補足2: 3社共同運航協定のこと(1)  (H17.08.11)

鹿児島・屋久島航路でフェリー「屋久島2」を運航している折田汽船は、3社による共同運航協定を否定しない、岩崎側と市丸側間のはなしがつくことが鍵ということを表明したそうである。

補足3: 3社共同運航協定のこと(2)  (H17.09.20)

調停不成立だったとの情報を8月29日見かけた。また、岩崎側が折田汽船を提訴したとの情報を9月17日見かけた。ということは10月1日から11月貨物船を改造したフェリー投入までの間、岩崎側は屋久島航路でサービス基準を満たさない状態になりそうである。

補足4: 岩崎側の屋久島航路フェリーのこと   (H17.10.18)

九州運輸局が17日、岩崎側に貨物船を改造したフェリー「はいびすかす」の鹿児島−種子島・屋久島航路の開設を許可したとのことである。11月1日から運航を始める予定とのことである。(種子島航路で現在運行中の岩崎側のフェリー「ぶーげんびりあ」は近い将来撤退ということらしい。)

九州運輸局は、岩崎側が10月1日から屋久島航路のサービス基準を満たしていないことについて、行政処分に向けた聴聞を10月27、28日に行う予定とのことだが、11月1日から「はいびすかす」が就航するとなれば、実質的な処分には至らないと思われる。

No.167 屋久島(93):高速船のこと(1) (H17.02.07)
No.176 屋久島(99):高速船のこと(2) (H17.05.18)
No.178 屋久島(100):高速船のこと(3) (H17.06.03)

No.193 屋久島(109):隠れ戦略のこと  (H17.11.07)


 
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