屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.167 屋久島(93):高速船のこと(1) H17.02.07)

昨年12月に鹿児島・種子島航路に新規参入会社・市丸グループ(以下市丸側という)の高速船「ロケット」が就航した。既存の鹿児島商船・岩崎グループ(以下岩崎側という)は鹿児島・種子島・屋久島航路で高速船「トッピー」を運行している。鹿児島・種子島航路部分は2社競合に入ったことになる。運賃の値下げ競争で当該航路の運賃は2割くらい下がったようだが、屋久島発着の運賃は今のところ屋久島には既存の岩崎側1社しか乗り入れていないので変化はないようである。

ここまでくるには結構いろいろいきさつがあったらしい。種子島出身者の経営する市丸側が高速船で新規参入の名乗りを上げたら、岩崎側が離島生活航路サービス基準を理由に反対したということである。鹿児島・種子島・屋久島航路は、国が輸送力(旅客数や車両台数)などに一定の基準(2日で200人、車両20台)を設けた指定区間で、旅客運送だけでの参入はできない。

岩崎側はフェリー運航会社と共同運航協定を結びその基準を満たしてきたのだが、市丸側はやむなくフェリーを新造しその条件を満たすことにした。そうしたら新造フェリーに対抗できないからか旧いフェリーは撤退してしまった。そこで新規参入を阻止しようとしていた岩崎側が一転して鹿児島・種子島航路でサービス基準を満たさないことになってしまった。

今度は岩崎側がサービス基準を満たすために佐渡のほうからフェリーを購入して今年の夏に投入するそうである。しかし昨年12月から今年の夏までの間はサービス基準を満たさない運行をしなければならない。巷では、規則を盾に新規参入を妨害してフェリーまで作らせたのだからその間運航中止になるのではという噂もあったが、行政もそこまではしていないようである。

しかし岩崎側が新規参入への対応策として、昨年9月、鹿児島・屋久島を往復する直行便と、屋久島から南種子を経由して鹿児島に向かう便の新設を恒久ダイヤとして申請していたが、それは11月に却下されたようである。屋久島発着のフェリー運行会社・折田汽船も反対していたようだが、九州運輸局が当時サービス基準適合対策を打ち出さないでいた岩崎側にお灸をすえた面もあるのではという報道もあった。

鹿児島・屋久島航路にしか関心のない私が、鹿児島・種子島航路の高速船新規参入騒ぎに興味を持つのは、屋久島では屋久島交通と書いてあったバス停が知らぬ間に種子島・屋久島交通になっていたことがあったからである。奄美のバス撤退や根占フェリー撤退の騒ぎもあった。鹿児島一といわれる件の岩崎側の企業グループがリストラで苦労している様子が見える。過当競争などで屋久島に何か影響がでないかと気になるからである。

No.176 屋久島(99):高速船のこと(2) (H17.05.18)
No.178 屋久島(100):高速船のこと(3) (H17.06.03)
No.183 屋久島(103):高速船のこと(4) (H17.07.13)

No.193 屋久島(109):隠れ戦略のこと  (H17.11.07)


 
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