屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.178 屋久島(100):高速船のこと(3) H17.06.03)

九州運輸局が鹿児島商船・岩崎グループ(以下岩崎側という)の鹿児島・種子島航路のサービス基準不適合に対し改善命令を出した。それに対し岩崎側は福岡地裁に処分差し止めの行政訴訟を起こし、それが認められた。そこで九州運輸局はその福岡地裁の業務停止命令差し止めに対し福岡高裁に即時抗告した。その後の動きである。

1: 指宿・種子島航路許可のこと  (H17.05.24)

九州運輸局が23日、岩崎側が申請していた指宿・種子島航路に5月25日から開設ということで許可を出したとのことである。即時抗告の結果が5月24日までに出ないかもしれないので、ダイヤ変更を認めることで鹿児島・種子島航路を無くす挙にでたということらしい。岩崎側は、福岡高裁の判断次第だが地裁の決定があるので現状のまま鹿児島・種子島航路で運航を続けたいと言っているようである。

2: 鹿児島・種子島航路続行のこと  (H17.05.25)

国土交通省が昨5月24日、地裁決定に対する福岡高裁の決定が出るまで現状運航を認めたとのことである。鹿児島県が国土交通省に要請した結果らしい。岩崎側は何らかの理由で九州運輸局に対する神通力を失いつつあり、それが一連の運航停止の動きとして現れたのではないか。今回はまだ神通力の利くルートを使ったのかもしれない。

3: 高裁棄却のこと  (H17.06.01)

昨5月31日午後、福岡高裁は九州運輸局の即時抗告を棄却する決定を出したとのことである。岩崎側の経済的な損失が大きいと判断したらしいが、九州運輸局は決定に不服な場合、5日以内に最高裁に特別抗告等の申し立てをする道が残っているとのことである。

私から見れば、サービス基準不適合を理由に新規会社・市丸グループ(以下市丸側という)の参入を渋った岩崎側が、いざ自分もサービス基準不適合となるや利用者利益を楯に基準不適合運航を正当化するのは、どうも虫がよすぎる感じがする。岩崎側にはなんらかのペナルティを科すことにでもしないとすっきりしない。

また当初から気になっていたのだが、サービス基準不適合が分かった時点でなぜすぐ九州運輸局は運航停止に出なかったのか。残り時間少なになっての運航停止命令、それが今のごたごたのもとのような感じもある。何か裏があるのかもしれない。

4: 市丸側屋久島航路申請のこと  (H17.06.03)

鹿児島・種子島航路に去年12月参入した市丸側が6月2日、鹿児島・(種子島・)屋久島航路の開設許可申請を九州運輸局に出したとのことである。同航路には現在岩崎側の高速船「トッピー」が運航しており、申請が認められると鹿児島・種子島航路同様、2社競合路線となる。

サービス基準対策としては鹿児島・種子島航路で運航している自社フェリーを、偶数日に屋久島にも寄港させるとのことである。また現在、鹿児島・種子島航路を高速船2隻・フェリー1隻で運航しているが、新航路が許可されれば将来的には高速船3隻目の導入も考えるらしい。

No.167 屋久島(93):高速船のこと(1) (H17.02.07)
No.176 屋久島(99):高速船のこと(2) (H17.05.18)
No.183 屋久島(103):高速船のこと(4) (H17.07.13)

No.193 屋久島(109):隠れ戦略のこと  (H17.11.07)


 
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