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  偏見ご免のたわごと編:  No.426
フェリーの更新問題_4月末が親造船決定のデッドラインとか  2026.03.23
  3月15日付けのあるネットニュースで、フェリー屋久島2の後継について、高速船トッピーとロケットを運航している岩崎グループと市丸グループ(傘下にフェリー屋久島2を運航している折田汽船)が新船建造は行政とし事業は両グループ共同運航を想定した公設民営を国、県、屋久島町に要望したという記事を見た。以下、気になってネットで私なりにその経緯や現在どういう状況なのか調べ理解した内容である。

フェリー屋久島2は1993年就航で老朽化し不具合による運休が問題となっているが修理や代船の費用増大もあり民間事業者単独での維持は限界となって来ている。また後継船を作るについては建造費の高騰(数年前の約1.5倍)と人口減少や物流の減少により新造船への投資を運航収入だけで回収するのは困難な状況にある。

つまり民間事業者単独での負担が限界に達しているので行政主導による新造船への更新を要望したということのようである。フェリー屋久島2がいまのような運航があと4年くらいで出来なくなるという見通しの中で、2026年4月末までに新船建造を発注しなければ造船所のドック確保が難しくなり最短でも3年10ヶ月後という納期がさらに遅れる見通しなので行政側に早急な決断をして欲しいということが背景にあるようである。

国の離島航路整備法による補助金は主に赤字の公営航路や特定航路が対象で民間の独立採算航路とされるフェリー屋久島2は対象外となるケースが多く、鹿児島県はこれまで民間の特定航路に対して県は主体になり得ないとの姿勢だったがここに来て船の老朽化や建造費高騰について県としても対応する必要があるとして財源確保のために国への支援要請を継続しているようである。行政側(県・町)は航路維持の重要性は認識しているものの、どの程度の公費を投入し、どの範囲まで責任を負うかという具体的な支援スキームの合意には至っていないのだが、事業者が示した4月末というデッドラインが迫る中、行政が主体となった検討の場の設置や国の補助制度の枠組み見直しが急務となっているということである。

フェリー屋久島2の後継問題は単なる一企業の事業問題ではなく鹿児島県本土と屋久島を結ぶ物流維持という生活基盤(ナショナルミニマム)の問題で30年以上運航してきた同船は老朽化の限界を迎えている中、行政主導による新造船への更新が今後の安定的な島民生活に不可欠で、2026年4月中に鹿児島県と屋久島町が公設民営を受け入れるか、あるいは別の強力な財政支援策を打ち出せるかどうかが、後継船が実現するかどうかの分かれ道でそのデッドラインが迫って来ているというわけである。

後継船の目途が立たない場合に想定される主なリスクと影響は、以下のようなものがあるらしい。このままだと島の生活基盤そのものが崩壊しかねないという深刻な局面にあるということのようである。
・フェリー屋久島2が運航継続したとしても船体の致命的な故障による長期欠航が常態化する。
・島民の生活物資(食料・燃料)や建設資材の貨物輸送能力が低下すると、商品が払底したり価格が高騰したりする。
・代船をチャーターする場合多額の公金を投入し続けなければならなくなる。
・フェリー屋久島2が運航継続したとしても、いつ壊れて止まるかわからないという状況では旅行会社がツアーを企画できず観光客が減少する。
・大型フェリーでの移動ができなくなると観光バスをそのまま載せられなくなり修学旅行や団体ツアーの受け入れが困難になる。
・現在、公設民営を要望して岩崎・市丸の両グループが事業一本化を前提に動いているが、新船の見通しが立たない場合両グループとも航路運航のサービス基準を満たそうとすれば事業の採算悪化必至で共倒れになり完全撤退するリスクがある。そうなった場合行政がゼロから運航体制を構築するにさらに膨大な時間と費用がかかる。


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