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10月15日放送の「何でも言って委員会」の「読めば読むほどためになる!そこまで読んでブックストア4」という企画で、今回は「事件」や「タブー」「社会問題」を扱った必読図書についてそれぞれの本の著者をゲストに呼んで徹底討論するということで、その一つにとしてテレビドラマ「VIVANT」関連で有名になった別班がらみで「自衛隊の闇組織
秘密情報部隊「別班」の正体 (石井 暁著・講談社現代新書)」が取り上げられていた。
石井氏がこの本を書いたのは、石井氏が思うに別班とその活動形態が文民統制から外れる存在であるということが第一理由のようだが、番組では氏は特定秘密保護法制定に対しても反対しており民主主義を絶対視と文民統制についての偏った思い込みあるいは思想があるというような指摘もあった。また、退職自衛官が秘密を洩らしそれを公表してと言うこと自体あり得ないはなしのように思えるが、それを聞き出し秘密組織があったとしてそれを公表してしまったことになるが、その石井氏に対して、門田氏は「あなたはどこの国のためにやっているんですか?」と質問した。そこにこの本と著者への評価が集約されていた印象だった。
あるブックレビューなどを見ると、石井氏は「別班」の存在は防衛大臣や総理大臣も知らない陸上自衛隊内一部幹部の独走でシビリアンコントロールを逸脱しているとあえて誘導したいらしいのだが、活動資金その他を官邸などの了解なく自衛隊内部で支払い出来るわけがないと考えれば、別班の活動を総理や大臣が知らないはずはないのではないかという見方が出ていた。しらを切るしかないから知らないことにしていると見ればよいわけである。それをわざわざ追求することはない。また、北朝鮮の拉致被害者奪還のために秘密裏に活動する任務を帯びているのではないかという見方もあった。そういう国家として表向き気づかれないように秘密裏に国内あるいは海外で情報を収集し何らかの活動をしているかも知れないことは、私としては当然あり得ることと思っている。
その存在の真偽は分からないが、海外で活動できる諜報機関を表向き持たないわが国で何らかの国民に知らされない諜報機関が存在していることは当然あり得べきことで、逆にそれを公にされることは国防の障害になるわけである。石井氏は、国防に関わる機密さえ公開すべきかのような意見を語っているが、それならばまさしく「あなたはどこの国のためにやっているんですか?」というくらい見識が疑われるわけである。他のあるブックレビューには、スパイ大国と言われながらスパイ防止法も制定できない無防備国家の日本を守れる最上の手段は諜報でしかないことを石井氏は勉強すべきであるとあった。私はそういう意見に賛成だし、もし石井氏の言うように存在しているがあまり実効がない組織であるということならば本来のその在り方を説くべきだったという気がする。
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