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  偏見ご免のたわごと編:  No.231
融通を利かす_人間らしさ  2023.06.15
  5月18日あるテレビ番組で見たはなしである。日本に住んで40年にもなるというある外国人男性がコンビニでタバコを購入しようとしたら店員に20歳以上であることの年齢確認動作を求められ切れて悪態をついたのを誰かが撮影していてSNSで拡散したらしい。そしてそれを受けてかコンビニ運営会社はタバコについては一律誰にでも年齢確認を求めることにしているので理解して欲しいとメッセージを出したということである。

私は客が切れて悪態をつき乱暴な行動をとったことは擁護されるべきことではないと思っている。それは非難されるべきことである。私はそれはそれとして客の男性が感じた違和感については理解出来るものである。あとからネットに出ていた記事を見たのだが、「なんで」、「バカなルール」、「ロボットかお前は!」、「頭つかって! ロボットじゃない、人間は」など、そう思うのは当たり前の反応に思える。

外見からも40年も日本に住んでいるならそれなりの歳のひとである。20歳以上なことは見て分かる。それなのにわざわざ年齢確認とは「なんで」と思うのは当然である。そしてまた当然20歳以上と分かり切った人間に年齢確認をするルールについて、それは「バカなルール」と思うのも当然である。そしてまた相手が20歳以上の人間だと分かり切っているのに年齢確認動作を求める店員のルールを機械的に適用する行動に「ロボットかお前は!」と思ってしまうのも全く正常な感覚である。

そして店員は人間であることを知っている客は、そこで「頭つかって! ロボットじゃない、人間は」と言いたくなるのも当然である。恫喝的態度でそういうことを言ったから問題になっているのだが、思ったことあるいはその言葉はその意味するところを見ればまったく問題ない正常な感覚の人間の反応である。私にはそう思えるのである。

私は今回のはなしを見て、人間がその判断力で融通を利かせることを排除する社会は味気ないという気がするわけである。ルールに人間味がない、ルールの適用に人間味がない、人間に対し人間味の存在を否定しロボットのようであれとルール適用を強制している。おもてなしの精神に欠けたことをしているように思える。そしてそういうことに客商売のコンビニ運営会社が全く気が付いていないような姿勢が私には気になってしまったわけである。客に負担を強いるのではなく、店側が知恵を出して問題を回避する工夫をして、人間性ある対応をする人間相手の店であることを放棄しないでもらいたいと思うわけである。


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