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  偏見ご免のたわごと編:  No.209
本土避難の実動訓練_屋久島が他国から攻撃されるとの想定理由は  2023.03.09
  なぜ屋久島が本土避難の訓練対象地域に選ばれているのか、それが気になっている。中国が太平洋に勢力圏を拡張しようとアメリカに対抗出来るよう軍拡中と言われる中、中国海軍の測量艦が屋久島近海で領海侵入を繰り返していることもあって気になっている。そこでネットで避難訓練関連情報がないか見てみたのだが、はっきり書いてある記事を私は見つけられなかった。

ただある国民保護計画がまだ途上であることを指摘する記事があって、その内容から推定するに、鹿児島県に日本が持とうとしている反撃能力を支える施設がいろいろ整備されて来ていて、それらが他国から日本が攻撃される事態になれば最前線基地として機能するわけだが、ということはそれらの基地も攻撃を受ける可能性が大きいということになるということのようである。そこで米中開戦を想定し鹿児島県島嶼の住民避難や沖縄あるいは台湾の住民避難などについての課題を洗い出すために屋久島を訓練対象地域として選定し避難訓練をすることにしているということのようである。

鹿児島県では奄美に陸自施設が開設されたし、中国などの通信を解析する情報本部が喜界島に、ミサイル防衛の要の空自レーダーが下甑島にある。鹿屋には米軍無人機部隊が一時展開中だし、西之表市馬毛島の自衛隊基地は米軍空母艦載機の訓練地として米空母の運用を支えることになる。鹿児島県は反撃能力を支える陸海空の強力な部隊がそろう全国有数の拠点となっているということである。だから一旦事あれば、相手から攻撃を受ける可能性が極めて大きいことになる。それに備えての住民避難の訓練地域として屋久島が選ばれているようである。屋久島が直接の攻撃対象になるということではないようである。

ところで、日本が攻撃されることが想定される米中開戦の可能性はどうかということである。ある分析ではアメリカは中国を世界の敵として孤立化させるように動いているし、制裁で経済的に追い詰めて中国から戦争を仕掛けてくるように仕向けている。そのまま行けば中国の体制が危うくなるので中国は5年以内に開戦する決断を迫られることになるとある。中国が戦争を仕掛けるとなれば初戦でアメリカ軍に致命的損害を与えられる可能性がある東シナ海で開戦するしかない。

東シナ海方面でアメリカ軍に致命的侵害を与えるところとなれば沖縄と九州ということになるが、沖縄は防御が固いからまず九州ということになる。そして開戦初頭中国民間人や在日中国人も動員して絶対勝利を狙って九州の米軍基地と周辺地域に人命軽視してでも911みたいな攻撃をまず仕掛ける。日本は自国が攻撃されたかどうか迷ったりあるいはアメリカ軍の対応を待って動きが遅いから結果的に開戦初頭にアメリカ軍に損害を与えることが出来る。中国はそう考えるはずという見方である。

そういう見方が当たっているいないにかかわらず、建前として政府は九州のどこかの島を選んで他国からの攻撃があった場合の本土避難訓練をして課題を抽出し住民保護の体制を確立しようとしていると言っており、その一環が鹿児島県を巻き込んだ屋久島での本土避難訓練だと言っているわけである。いずれにしても、外交的折り合いがつかず米中開戦になる懸念を持たざるを得ないと判断しているからこその避難訓練で、まず攻撃されるのは九州のどこかだと想定しているのも確実なことだと思われる。

そして上記の中国の開戦をどう仕掛けて来るかについての見方が当たっているかどうかは分からないが、もし当たっているならば開戦前に攻撃を受ける地域を予測し難いから、不意の攻撃を受けたその地域からの避難ということになる。そういう場合の安全なタイミングをどう狙って避難させるかも検討課題になっているかも知れない。


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