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  日誌編:  No.091  
マンガ認知症」_互いに知っておくためにと妻が買った本 2021.08.16
 
妻がネットで購入したい本を探しているときに、いままでの検索履歴などからこういうのはいかがと紹介される本の中に「マンガ認知症」(ニコ・ニコルソン/佐藤眞一著・ちくま新書)というのがあって、マンガだから要点を分かりやすく直観できるようにしてあるだろうとそこに興味をもって購入したそうである。


そして私たち夫婦でどちらが先に認知症になるにしても、お互い認知症に同じような正しい認識を持っていると思えばなるまでのあいだ安心感はある。なってしまったら分からないから、なっていないあいだ安心感があればよいのではないかということで、私にも読んでおけと薦めて来たので私も読んだ。

私たち夫婦は、93歳で亡くなった私の父の晩年、認知症になってから介護をして来たと思っている。認知症と表立って医者に告げられたことがないからそう思っていると言うのだが、本に出ている例がかなり当てはまるから認知症だったと思っているわけである。

散歩に出て行方不明になり警察犬が出たこともある。寝糞はする。汚れた下着を便器に捨て詰まらせる。便がついた手指を壁にこすり付けて階段を下りてくる。弟家族が来て会食するとき、相手がだれか分からず目の前の食べ物だけを無表情に確保して自分だけで食べてしまう。私を自分のとっくに亡くなった兄と思うなど、いろいろな経験はして来たから何らかの行動をしても互いにそういうことへの理解は出来そうな気がする。

本でとても参考になるのは、認知症のひとがどう思って行動したり暮らしているかということに思いを致すことが、一緒に暮らす中でとても大切なことだということである。私も父が認知症かなと思ってから5~6年、父が私たちの世話の仕方をどういうふうに思いあるいは自分の状況をどんなふうに思って過ごしていたのか、いまさら言っても遅いがいたずらに不安にさせていたのならと気になっている。


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