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  偏見ご免のたわごと編:  No.072
また町長リコール運動_ただ首を取りたい感がある印象 2021.04.25
  ある住民グループが4月16日、現町長のリコール(解職請求)を申請し、選管が署名活動に必要な請求代表者証明書を交付したそうである。1ヶ月以内に有権者の3分の1の有効署名を集め本請求すれば住民投票が行われることになるらしい。

ニュースによればリコール請求の理由は、出張旅費の不正をしたこと、役場新庁舎で適正な予算執行をしなかったこと、ということのようである。出張旅費の不正問題で、町議会で事実関係を否定後一転して認めたことを政治家として致命的、また2019年に完成した役場新庁舎の建設を多額の予算で無理やり決行したと問題視しての請求のようである。

町長は2015〜19年度の出張時、普通運賃の航空券を払い戻して格安の高齢者割引で搭乗して差額を得たことが発覚し、住民団体が刑事告発したが鹿児島地検は20年9月起訴猶予の不起訴処分とした。また出張旅費の不正を巡っては町議会が百条委員会の設置を三度にわたって否決、町長の不信任決議案も否決しているので、請求は議会に失望してのことかも知れない。

私は旅費の不正問題については結局は認め謝罪もし不起訴になったので、今回の請求は町長の態度が悪いのが気に食わないと言っているような印象を受けている。リコールが必要なほどという悪さがどういうものか具体的に示してリコール運動をしてもらわないと有権者としては住民投票を求めるかどうかの判断がつかないのではないかと思われる。

もう一つの役場新庁舎建設をめぐる問題だが、2016年9月にも新庁舎建設計画を巡って町長のリコール運動が起きたが、そのときは署名が有効数に達せず不成立だったということがある。今度は役場新庁舎建設で適正な予算執行をしなかったとリコール請求しているが、もう新庁舎は建設が済んで稼働しているのだから、強引かもしれないが町長の政策推進の手腕の成果かも知れない。請求側は今回は有権者に何についてこういうことが適正でなかったから全体計画推進に瑕疵が生じたということを示してもらわないと、私あるいは有権者としては住民投票を求めるかどうかの判断がつかない。

旅費不正問題では不起訴になったが(請求側のように見えた)記者の強引な姿勢が問題となったこともあり、町長が気に食わないから何が何でも首を取りたいという底意があるのではないかと勘ぐりたくなるところもあるから、自分がそう感じるからと煽るようなものではなく、町長の資質や予算執行の瑕疵について有権者が納得出来るような具体的情報を示してもらわないと、私あるいは有権者としては住民投票を求めるかどうかの判断がつかない。

私はこういう活動が繰り返し起こるのを見ていると、請求側の仲間が持っている正義感(これは活動家的なものの正義のウエイトが大きそう)と町長側の仲間の正義感(これは地元の暮らしに根付いた正義のウエイトが大きそう)のぶつかり合いのような気がすることがある。世間体に支配される地元と外の暮らしを経験した自分たちの価値観が合わないのだが、そのなかで後者が執拗に自分たちの方が正義だと言い募っているのかも知れない気がしてしてしまうことがある。

また出張旅費の不正を巡っての三度にわたる町議会の百条委員会設置否決や町長不信任決議案の否決も町長のリコール請求の理由にあるようだが、これは議会の問題であり町長の資質を問う理由にはならない気がする。否決は地元の暮らしに根付いた正義が当地では優勢だということではないかと思われる。選挙で数を取ることが請求側の今後の課題だが、平常において何がどう進んでいるのか、それに対する自分たちの意見はどうなのか、そして日常自分たちはどんな活動をしているのか、ということが皆目わからない。町長の資質よりもっと請求側の資質はわかりにくいのである。都合のよいときだけものを言ってもなかなか理解は深まらないことを知った方がよいと思われる。河野大臣の「ごまめの歯ぎしり」みたいに連日発信するくらいの熱意は必要な気がする。

補足: リコール不成立らしい
2021.05.24
21日、リコール署名活動をしていた住民団体が有効署名が必要数に達しなかったので町選挙管理委員会への署名簿提出を見送ると発表したようである。


(関連記事)
屋久島暮らし残照録・偏見ご免のたわごと編:
  No.038  町職員の出張旅費問題_町長同様起訴猶予  (2020.10.19)

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