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  たわごと編: No.387  
  2017.02.06 何とかファーストは要警戒_トランプに限らない  
 
  いまアメリカファーストのトランプ氏が大統領に就任し選挙公約関連大統領令を連発し懸念が高まっているとのことである。ちょっと前には小池都知事の都民ファーストとかアスリートファーストのお題目での豊洲やオリンピック施設の計画見直しが話題になっていまも尾を引いている。

大統領や知事などの元首や首長が自分の治める国家や地域の利益を最優先に施策を決めるのは当たり前のことである。アメリカと何らかの交渉をしようとするとき日本が日本ファーストで交渉に当たらないということは考えられない。知事だって都道府県の利益を最優先に施策を実施しようとすることは当然のことである。

いろんな組織やひとであっても自分サイドの利益を最優先にする姿勢は当たり前で、何とかファーストと言ってやるか言わないでやるかは関係ない。それほど何とかファーストは当たり前のことである。ところが何とかファーストと言い募る組織やひとはあたかも同じ課題に取り組んでいる他の組織やひとをその課題関連のものごとに何とかファーストで取り組んでいないと非難する手段として何とかファーストを持ち出しているに過ぎない場合も多く、それは問題だと思われる。

みんな自分たちファースト、自分ファーストなのである。そうであることは人間の本性から見れば当然のことである。しかし意見あるいは利害の異なる者同士が向き合えばそれぞれの自分たちが自分ファーストを主張しているのだから説得しあるいは妥協して双方納得のなんらかの合意をせざるを得ない。それが分かっていないあるいは分からないふりをしている邪悪な人間が自分たちあるいは自分の考えや主張あるいは施策が絶対だと言い募ることになると暴君の独裁みたいなことになる。

わが国でも政治勢力の一部には自分たちの主張は絶対という姿勢を崩さず自分たちの主張が通らない間は議論が尽くされないと言い募る印象がある。また沖縄県における知事や基地反対勢力や知識人や住民の一部にも、私は沖縄被害者意識絶対ファーストみたいな印象を持っていて、沖縄が住みよい場所になってほしいという気持ちはあっても、すんなりいわゆる沖縄ファーストに同調する気にならない。私としては日本とその中の沖縄がその時点時点の世界あるいは周辺情勢の中でその段階に応じて可能な施策を積み上げて行くしかない。理想を求める思いは理解しても時制感覚のない理想の追求には現実性がないと思っている。本例を挙げたのは、トランプ大統領のアメリカファーストの独善性が懸念されると言うならば、私たちは同様に独善的な何とか絶対ファーストに侵されていないか顧みなければならないということを言いたいわけである。

国内外、私たちの周囲にそういう何とかファーストが言い募られていることはいくつもあると思われる。自分大事は誰もそうで他を巻き込まないあるいは他もそうだから互いに妥協はするという気があればよいのだが、自分絶対となると他にばかり妥協・犠牲を求めることになる。私は、何とかファーストを言い募るものは要警戒だと思っている。自分の主張を絶対視して物事に当たるものは要警戒である。トランプ大統領のアメリカファーストの行方、反日ファーストの韓国の行方、そして中国の夢ファーストの行方、そしてそれらの日本への影響は。これらの何とかファーストの本性や如何。私は今後いろいろな課題でのわが国との交渉やたがいの対外行動がどういう推移をたどるのか気なっている。政府・与党の日本はどうあるべきという通底戦略の存在とそれに基づく現状判断による時々の対処施策を信じるしかないのだが気になるのである。

補足: 
日本の通底戦略と対処施策の整合性
2019.01.19
私は、日米安保基本、中国警戒、ロシアと韓国を中国側に追いやらない、これが日本の対処施策の底に流れる基本戦略だと思っている。そしてそれに従い世界や周辺情勢への対応をしていることを信じている。しかし昨今の中国へのすり寄り、ロシアとの領土交渉、韓国とのいざこざ、何となく基本戦略と整合しないような雰囲気が感じられる。誤解を生まない範囲内での対処だと信じたいと思っているが気になっている。


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