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町報11月号が12日に配られて来たので見ていて気になった記事があった。屋久島空港利用促進協議会からという記事である。内容は協議会が空港利用促進をする目的がまず書いてあるのだが、町民や観光客、ビジネス客が高速船やフェリーではなく飛行機を利用すれば時間短縮が図れるから、時間短縮に効用を感じるひとを飛行機に誘導しようということのようである。従来船を利用していたひとが飛行機に移行することもあるが、実質的に屋久島訪問客の増加を図ろうということであれば時間を重視する観光客の取り込みを一番考えているものと思われる。そして従来の船利用客の誘導は新規の増客が不振で利用が低迷しても便数減少など起こらないようにということのように思える。
その他の内容としては、運航スケジュールと定時運航に支障がないように早めに保安検査場を通過するようにというお願いと、住民向けの運賃の離島割引の案内があった。私が気になったのはこの離島割引についての案内内容である。役場が発行する離島航空割引カードを利用すると鹿児島・屋久島間片道15600円が10500円に33%割引されるということだが、そのカード発行には身分証明書(免許証や保険証)と顔写真が必要だというくだりである。
私の疑問は、なぜカードが必要なのかということである。航空券を割引で買うときに写真入りの身分証明書で本人確認が必要という考えは分からないでもないが、写真のついている免許証やパスポートその他を持っているひとまで写真入りカードを作る必要があるのかということである。いまどきほとんどのひとが自動車免許証を持っている。それなのに写真入り身分証明書を持っていない極少数のひとのために割引運賃を希望する全員にカード申請を義務付けるのは無駄ではないかと思うのである。役場職員の対応工数や利用したいひとの証明書写真の費用負担を考えれば無駄なことが多い感じがするのである。
私は、かつてこのカードを発行してもらったことがある。しかし使ったことはない。早割で航空券を購入すればそれなりに安く購入できる。またいまはインターネット予約で旅行の全行程の航空券をかなり早期に手配し購入しているのだが、もし早割運賃額が割引運賃額より高かった場合カードを空港で提示すれば割り戻しが出来るなら免許証提示でなら簡単でよいから利用したいとは思う。しかし多分いまのカードの効用はかなり小さいのではないかという気がしている。また通常飛行機を利用しないひとが一回こっきりの利用のためにカードを申請するとも思えない。
鹿児島・屋久島間の飛行機利用客それも屋久島来客数を増やすためには、まず航空運賃を下げることではないかという気がする。羽田・鹿児島間片道普通運賃43890円、それに対し鹿児島・屋久島間片道普通運賃15600円は割高である。すぐそこに見えそうなところに行くのに鹿児島から東京へ行く運賃の約36%(実際は大体がなにがしかの割引運賃になっていて主要路線の方が割引率は大きいからこの%はもっと大きくなると思われる)もかけようというのは、そうせざるを得ないあるいはかなり時間的効用を重視する利用者に限られそうな気がする。主要路線と比較して鹿児島・屋久島の近さ・距離感に見合った運賃でないとターゲットとする客層の利用促進にはあまりつながらない気がする。
10月には、ANAとJALが傘下あるいは提携関係にある地域航空会社を統合して新会社をつくり、ANAおよびJALと共同運航する案が検討されているというようなニュースがあった。国際便からの乗客を利用率の低い地域航空会社に誘導しようということで考えられているようだが、私のような地方路線の利用客が目的地まで乗り継ぎ込みでANAあるいはJALのどちらの予約ページでも通しで予約・チケット購入が出来るようになれば、外国人のみならず日本人の屋久島訪問客も増えるのではないかと思われる。屋久島空港利用促進協議会はそういうことも踏まえて運賃値下げと空港利便性・快適性の向上(空港ビル・駐車場の整備・拡張その他)の働きかけに集中した方がよいような気がする。
(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:
No.395 離島運賃割引制度_有人国境離島特措法のおかげ (2017.03.27)
屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編:
No.82 観光の規模のこと [2001(H13).12.17]
No.93 空港整備のこと [2002(H14).05.07]
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