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  たわごと編: No.364  
  2016.09.20 相続関連本_子どもに相続させてはいけない  
 
  わが家でとっている日経新聞9月18日の6面が全面「相続関連本特集」ということで5冊の本の広告になっていた。昨年から相続の基礎控除額や税率が変更されたが、そういう動きが目立つようになって来たころから相続関係の解説本が多くなった印象がある。以前3月11日にもその中の1冊と同じ本「日経ムック・よく分かる相続・あなたの家は大丈夫」の広告が出ていた。当時そのタイトルが私には気になった。しかし私はその本を買う気はなかったし買わなかったから、その疑問は今でも解消していないのだが、そこでいう「あなた」とは被相続人なのかあるいは相続人なのかと気になってしまったのである。以下、3月11日の広告が気になった当時に書いた感想である。

大金持ちとか事業者で残される家族に資産や事業を継がせたいひとあるいは継ぐ予定のひとにはそれなりの準備は必要かもしれないが、大して金もない被相続人の私には死ぬ前から相続人が分前を催促するようなはなしに思えて相続本の広告を目にする度に嫌悪感が湧いてきたものである。配偶者以外の子どもなどの相続人が如何に自分の資産などを遺産分割しやすくするとかあるいは相続しやすくするかと自分が死ぬ前から催促するなどもってのほかというのが私の気持ちである。

以前、子どもが私の死と遺産分割を話題にするときがあって、私の僻目かもしれないが私の死後の分前をあてにしている気がして私は不快でしょうがなかった。私は面では平静を装いながら応対していたが、それに気分を害して後日妻に全財産を譲るそして遺言執行人も妻という遺言書を作成し、いまもそれをずっと持ち続けている。以前公正証書にしようかと考えていたが、いまのところ自筆遺言書である。多分このままになりそうである。エンディングノートも作成してある。全て妻に委ねるということにしてある。いま遺言書とそれの抜粋コピーを子どもにいつ渡そうかと悩んでいる。

私は相続本については前述のようにあまりよい印象は持っていなかったのだが、最近ネットで高齢オクさん向けらしき「ダンナの遺産を子どもに相続させないで(高橋成壽著・廣済堂出版)」というタイトルの本を話題にしている記事を見た。私が遺言書を作成したきっかけは前述の通りだが、それをきっかけとしてなぜ作成することにしたかという真の私の思いがその本が書かれた理由でもあるようなので、その相続本を購入してしまった。私の遺言書の趣旨は、私の死後すべては妻へ、妻の死後すべて子どもへというものだが、その選択が間違いではないことを再確認の意味で購入したわけである。

その本のまえがきには、本出版の理由は「日本の社会の縁の下の立役者となってきた女性たちが、将来にわたって、そしてご主人が亡くなられた後にも、何不自由なく幸せに、ゆとりある生活を送られること」を願ってのことである。離婚では二人で築き上げた財産を二人で分けるのだが、「離別ではなく死別の場合、つまり夫が死亡すると、特に遺言などがなければ、妻と子で財産を分割することになる」が、「一生添い遂げた夫亡き後は、夫と妻の財産はすべて妻の財産になるのが本来のスジではないか」。そして「夫の財産はすべて妻が相続するのは、妻の幸せな人生設計の王手にもなれば、なんと意外にも、子どもたちにとっても最善の相続になり得る」。それを説くための本ということである。

以前私が遺言書を作成したと知った子どもが、自分を信用しないのかと泣き落としをかけてきたことがあるが、すべてを妻に譲ると言っても子どもたちが相続放棄しないなら遺留分がないわけではない。子どもたちの出方が放棄か遺留分かのどちらになるにしろ、私としてはささやかな遺産になるだろうから妻に重点配分されるように手を打っておくということである。妻も子どもたちに支配されず自分の意志で残された人生を幸せに過ごしたいと望んでいる。そうなって欲しいという私の思いを子どもたちも自分の思いとしてくれることを願っている。


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