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  たわごと編: No.362  
  2016.09.12 民進党代表選挙_傍目から見た三人の違い  
 
  9月15日に予定されている民主党代表選に、蓮舫氏、前原誠司氏、玉木雄一郎氏の三人が立候補している。三人が党員・サポーターや国会議員、自治体議員などに自らの所信を表明して回っているようだが、立候補表明や共同記者会見の報道が多分主張の主な点を網羅しているという前提で、三人が党内で代表に選ばれようと主張しているのはどんなことなのか挙げ比べてみる。

蓮舫氏: 「すべての世帯が納税に納得できる行政サービスが返ってくる政治を」、「私が目指すのは新世代の民進党。ガラスの天井(主に女性の昇進を妨げる障壁)を打ち破り、信頼を取り戻してわくわくする政治を作る。代表となり党を引っ張りたい」、「対案を提示して政権担当能力を示す、全員が力を発揮できる体制の構築、政策分野ごとの調査会の設置、という3点を通じて新世代の民進党づくりを目指す」

前原氏: 「人への投資が経済成長につながる社会をつくるため先頭に立ちたい」、「国民の信頼回復に力を尽くす」、「All for All(みんながみんなのために)という考え方を掲げ、格差是正のために必要な財源を、国民全体から少しずつ集める形の政策を提案」

玉木氏: 「リベラル保守を民進党の一つの大きな考えにし、選択肢になる政党にしたい」、「もう一度、国民に信頼され選ばれる政治集団をゼロから作り直したい」、、「大きな国家ビジョンを戦わせる選挙にしたい」、「政党シンクタンクの設立などの施策を掲げるほか、教育と子育て支援策を大幅に拡充するため、財政法を見直して『こども国債(仮称)』の発行を提案」

私がこれらを見ての感想だが、国の政治のあり方・社会のあり方についての姿勢というのは与党も野党もほとんどの政治家はみな同じような考えを持っているという気がする。具体的政策については政権を取れた暁にどんなことをしたいという希望であれば、そのために野党党首としてどう実現するのかを主張しなければいまそれを言っても空しい。理想を述べるだけでは党首として党を今後どうするのか見えてこない。もし野党第一党でありながらその主張を実現したいということなら、政府・与党の政策にどう反映させ実現させるのか、野党党首としてリーダーシップを具体的にどう発揮し党内をまとめるのか訴える必要がある。

そういう観点からは、蓮舫氏の「全員が力を発揮できる体制の構築、政策分野ごとの調査会の設置」、玉木氏の「政党シンクタンクの設立などの施策」がそれに当たるかも知れない。前原氏の党内施策はAll for Allなのかもしれないが具体性に乏しい。いずれも、野党から抜け出すに党内を具体的にどうまとめるのか、党内をまとめた結果出て来た政策案を野党としてどう政府・与党に飲ませるのかという議論が欠けている。憲法や国防に関する考えや共産党などとの共闘についての態度を明らかにしたあと、党首として党を具体的にどうしていくのか訴えてほしいものである。私には代表選のあと党がこうなるというイメージが湧いて来ない。

さて、私の立候補者についての印象・先入観のことである。蓮舫氏は、事業仕分けでの傲慢、威圧的態度が印象に残っている。権力を握ったときにその権力を嵩にかけた態度でものごとにあたる傾向があるように見える。私はそういう人物は信用しないことにしている。前原氏は口先番長と言われたりしているように粋がって後先を考えず強がりの態度に出る印象が残っている。私はそれが重大局面で過った結果を招く危険性があるのではと気になる。玉木氏についてはあまりその言動が表舞台に出ていないのでよく分からない。

補足1: 
蓮舫氏に台湾と二重国籍ではとの疑い
オバマ大統領や小池ゆりこ都知事はエビデンスを示して出自などの疑いを否定したが、蓮舫氏はそういう否定の仕方をしていないので疑いが消えず今後の行方が注目されている。最近台湾籍除籍の申請をしたというはなしも出ており、そうなら生まれた時から日本人と言っていたのは虚偽ということになり経歴詐称に当たり公職選挙法違反ということになる可能性もあるらしい。

補足2: 
蓮舫氏、民進党代表に選ばれる
2016.09.15
台湾国籍はまだ離脱していないが日本国籍を取得しており心は日本人と言う蓮舫氏が民進党代表に選ばれたそうである。私としては蓮舫氏は議員辞職して台湾籍除籍で日本国籍のみの日本人になったとしてその後の国会議員選挙に出るのが筋ではないかという気がしている。
(追:2017.07.28 蓮舫氏代表辞任 都議選での退潮責任を理由に野田幹事長が辞任を表明、自身は続投・衆議院に鞍替えの意欲を語ったその翌日に突然の辞任表明だった。三顧の礼で迎えたと言っていた野田幹事長の後任人事を工作するも、代表辞任するのが当然だと誰も引き受け手がいなかったのが原因ではないかという見方もある。)

補足3: 
蓮舫氏あるいは野党の思い違い_実現できる提案とは
2016.09.29
蓮舫氏が党の主張を提案型にして行くと宣言したのに対し自民党高村副総裁が実現可能な望ましい提案をと述べたのに反論し、昔も今も実現可能なものしか提案していないと反論していたが、蓮舫氏あるいは野党は思い違いをしているのではないか。高村氏の言う実現可能な望ましい提案とは政府・与党が飲める提案のことである。自分たちの正義だと言い募っても政府・与党が納得できないものは実現しない。自分たちの提案を政府・与党に納得させるように説明・説得を尽くさず、自分たちの存在証明のためのようなやり方で提案をしても通らない。議員数比率は委任民意だとすればいまの政府・与党は高い委任率で野党の協力がなくてもやれる。そして野党は委任率の低い少数なのだから、政府・与党の批判と一方的正義の主張だけの政府・与党が飲めない提案をしている限りでは少数意見集団に留まることになるのである。


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