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ニュースで見たところでは民進党の政党支持率が合併後低迷している(注1)。今後どうなるか分からないが、いまの私の感覚から言えば、民主党を共産主義政党でない野党という理由で支持してきたひとにとっては、共産党とつるむような民進党の動きは根本理念で受け入れることに抵抗があるということではないかという気がしている。
(注1: NHK政治意識月例調査によれば
5月 民進党 8.2%
4月 民進党 9.1%
3月 民主党 8.9% 維新の党 0.2% )
国会で与党は人数が多いから与党であって、民進党に限らず野党は人数が少ないから野党である。一応国民は与党を比較的多く支持しているとみなされるわけである。野党に代表される民意は比較的少数意見である。そして比較的に国民の支持が少ない野党がいくら政府あるいは与党に反対でも、結局は政府・与党の政策案が通常は通る。そうであれば政府・与党に考え直させ野党の考えに賛成してもらうためには、政府・与党が野党の考えに納得できるところがなければならない。政府・与党と野党が適当なバランスでそれぞれ受け入れ可能な内容で修正するなどの妥協の上での解を求める必要もあるわけである。野党がその主張を説明し尽くさなければそれはかなわない。
国会対策戦術とか言って理由をこね回して審議拒否するとかスキャンダル追求に時間を浪費し実質審議をしないとか、国会外でのデモなどで煽って民意に反すると政府・与党に圧力を加えたりして100%自分たちの主張を採用せよと迫っても、結局は国民の支持が比較的少ない野党に勝ち目はない。そこで国会で決めることを決めるという国会議員の本分を果たさず選挙で勝つために現政権何でも反対活動に明け暮れることになる。
国会が正常に審議せず決めることを決めないでいたり、理念先行の情勢認識で世界の現実から遊離した議論に終始しまともな成案を邪魔していたりすると、そういう野党を排除する力が働く可能性がある。国民も全体的に見れば、議論よりはレッテル貼りでアッピールの国会劇場化によるウケ狙いや、ただ反対とか現内閣打倒とか言われても、どういう情勢認識の上で反対なのか、反対するなら野党としてどういう対案(実行ステップや財源裏付けや国家全体的整合性などを含む)を提示しているのか、そして野党のその情勢認識を前提としたもとでの対案を採用したらこれからの国家・社会はどういう姿になるのか。国民の大多数はそれが想定できなければそれが想定できる政党に選挙で投票することになる。
そして野党が後退すれば、政府・与党が強力な力を握ることになる。それを良しとする国民が多くなれななるほど野党の勢力を弱体化させる政策が通って一党独裁的になって行くのではないかと思われる。もしそうなることがあれば、それは野党が招いたことになる。野党が政府・与党に考え直させ野党の考えを取り入れてもらおうという努力をせず、ただ反対あるいは主張の100%採用を求め、まともな審議をしなかったツケが回って来るということになるわけである。
そうならないように現実的で建設的な政策提案や論議をする野党が、国家・国民のことに責任を持つ責任野党ということなのだと私は思うのだが、そういう責任野党はどこにいるということにならないように願うものである。
補足: 民進党長妻氏_ディベートに勝てばよいという印象
2016.07.16
昨15日のBSフジのプライムニュースで参議院議員選挙後の話題として憲法改正問題を取り上げていた。自民党、公明党、民進党、共産党の議員が出席して意見を述べ議論していた。民進党は代表代行の長妻氏だった。私が気になったのは、自民党の改正案と言われるものの底意を勘繰っての攻撃に終始していた感があったところである。議論を受け入れず自分の意見が正しいと言い募るばかりの印象だった。多分頭はよいのだと思われる。それで相手の言い分を聞いて話し合うよりは言い負かすことがならいになっているようである。厚生労働大臣時代、官僚に受け入れられず就任・退任時に出迎えや見送りがなかったのも、言い負かしてねじ伏せるという性格が災いしたものと思われる。そういう性格は言い訳などで批判相手をねじ伏せようとした前都知事舛添氏に通じるところがある。頭がよいものが陥りがちな理屈で勝てば思い通りにできるという思い上がりがあるような気がしてならない。
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