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最近見たネット記事に、核兵器保有国特に米中ロの主に核の威嚇、核戦力の増強・近代化、軍縮対話の拒否・停滞に集約される具体的な姿勢や行動にNPT(核兵器不拡散条約)体制への疑問が出て来ている。そして核を保有していない加盟国の中には核保有国の横暴さに対抗するには非加盟で核保有している国のように核兵器を持つしかないというはなしも出て来ているというようなことが書いてあった。
実際近年核兵器を持つ軍事大国が他の諸国の権利を奪うような横暴さが目立つようになって来ている。なぜそういう状況が強くなったのか、その理由は軍事大国と他の諸国の間に大きな軍事力の格差が生じてしまったからである。そしてその大きな要因は核兵器保有の有無にあるのだが、核兵器の拡散の防止を目的としたNPT体制が、核軍縮を現実的対応で実現しようとする反面、核兵器保有国の間でのみ力が均衡する状態を許す側面があり、核保有国と非核保有国との間に著しい力の非対称をもたらしたからである。
そしてNPTの構造的に核保有国が有利な不平等性と核の完全な廃絶が進まない現実にNPTに対する疑問や不信感は従来から表明されていたが、近年国際的な安全保障環境の悪化で核保有国がNPTの理念追求よりむしろ核兵器の価値を再認識する動きに転じたことで他の諸国のNPT体制に対する疑問も増大して来ているわけである。
しかし核保有大国の参画なしに核廃絶を実現することは出来ないわけだから、NPTがダメなら何らかの核保有大国参画の新たな体制が出現しない限り核廃絶の実現は難しいのではないか。そしてその出現までの間は不平等であってもNPT体制のもとで核保有国が廃絶の道に進むことを期待するしかないのではないか。他の諸国全てが核兵器保有を目指すより騙された感があっても核兵器を保有せず核兵器廃絶を願うめでたい諸国であり続けた方がよいのではないか。甘いかも知れないが私はそういう気持ちから抜けられないでいる。
NPT体制に疑問はある、それでもいまのところそのNPT体制があってこそその疑問を解消出来るのではないかということである。なかなか悩ましく難しいことになるが、他に方法がなさそうなのが気になっている。
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