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  日誌編:  No.262  
浄化槽法定検査_なぜかしっくり来ない制度 2023.10.30
 
もう何回目かだが、今年も何年毎かの浄化槽法定検査のお知らせが来て検査を受けたわけだが、初めて受けたときから何となくしっくり来ない感じが続いている。この検査は国の浄化槽法で決められた制度で毎年1回県知事が指定した検査機関の行う検査を受けなければならないことになっているということらしい。

今回の通知はがき と 以前何回目かのときに来た車の写真

わが家では地元の清掃会社と契約して浄化槽の保守点検をしてもらっている。本来は自分で保守点検つまり浄化槽の「各装置や機器類が正常に働いているか」、「運転状況はどうか」、「汚泥のたまり具合はどうか」、「配管やろ材が目詰まりしていないか」などを調べて、異常や故障などを早期に発見し、修理し、消毒薬の補充等を行い浄化槽の正常な機能を維持する作業をしなければならないのだが、これらは国家資格(浄化槽管理士)を有する保守点検業者に委託することが出来るということになっているから、清掃業者に依頼しているかたちになっているようである。

わが家はそういう事情など知らずに移住以来、清掃業者に依頼することになっていると思ってやって来ている。私はそれで何の問題も感じることなく維持管理されていると思っていたのだが、ある年から法定検査のお知らせが来て私に言わせれば強制的に検査を受けさせられている感じになっているわけである。保守点検は浄化槽の機能を維持するための作業であるのに対し、法定検査は浄化槽の状態を総合的に判断するための検査で、浄化槽管理者(浄化槽の所有者等)が保守点検や清掃を適正に行っているか、浄化槽の機能が正常に維持されているかを、知事が指定した検査機関が行うことになっているようである。

そこでなんかしっくりこない感じがあるのだが、それは私の勘ぐりから来ている。浄化槽が普及して来た。それで浄化槽法を制定したのだが、清掃業者に実際の作業は任せてそれを行政が監督すればよいものを、公務員あるいは官僚が天下り出来るように検査機関を設けそこで屋上屋を重ねるような点検を実施しその費用を清掃業者とは別に徴収しようという意図で法令を制定したのではないかということである。清掃業者の利用を義務化して検査機関は清掃業者の監督業務に徹すればよいものを無駄な組織を作っているのではないか。現実は清掃業者が検査業務も保守点検の一環としてやっていると私は思っている。もし足りないところがあれば、多分あるとすれば水質検査の一部と思われるが、それを清掃業者の要件に追加すればよいだけではないのか。労働力不足が言われているのに人材を無駄遣いしている公的機関はなくしたらどうかという気がしているわけである。


補足: 検査機関に入る年額_多分県内全業者の得る保守点検費の8%強
浄化槽法定検査の費用は今回5000円だが、清掃業者の保守点検費用は年30000円とすると1/6である。法令では毎年1回のところいまは2年に1回実施らしい。そうすると鹿児島県の検査機関は毎年県内全清掃業者がその年に得る保守点検作業の収入を合計した総額の1/12の収入を得ていることになる。県内全業者を合わせた保守点検の年間収入の8%強を毎年儲けていることになるわけである。鹿児島県に業者が何社あるか知らないがその収入の全部を合わせた額の8%強は相当な額になると思われる。
因みに鹿児島県内浄化槽保守点検業者数は全部で60社あるようである。業者規模が均等だとして8%強は5社相当である。なお、屋久島には3社ある。


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屋久島生活の断片・日誌編:
  No.286  浄化槽点検のこと  [2010(H22).02.01]
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