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血圧の基準値を下げ治療したら心血管系死亡リスクが減ったからという理由で血圧基準値が見直されて来たようである。そしていま血圧130以上は正常でないということになったようである。それで50%の国民が血圧が正常ではないということになるらしいが、私は直観的におかしいという気がする。二人に一人が血圧が正常でないということだが、正常でないと言われた人の心血管系死亡リスクが減るということの意味や他系の病気で死亡するリスクがどうなのかということがよく分からない。
過去に何回か血圧基準が低くされているらしいが、それで血圧が正常でない人間が増えて治療した結果、総死亡者数に改善が見られたというエビデンスを見てみたい。心血管系の病気で死亡しなければ他の病気で死亡することになるわけだが、心血管系の病気での死亡リスクが改善しても総死亡者数は変わりないという指摘もある。
局所的最適解を追い求めても系全体としては最適にならないのではないかという疑問が残る。FACTFULNESS(ハンス・ロスリング他著、上杉周作他訳、日経BP社)を読んで私はその言い分に影響されているのだが、目の前の状況(例えば血圧と心血管系の病気での死亡)のデータで判断するのではなく、ひとの死と健康という観点に立った関連データも含めたデータから判断する必要があるのではないかと思うわけである。
ひとはいずれ死ぬ。血圧が正常でないひとと血圧が正常なひとの血圧値とそれらのひとの心血管系の病気での死亡率と他の病気による死亡率はどうなっているのか。寿命が延びていると言われているが血圧治療との関係はどうなっているのか。総死亡者数に変わりないという指摘が気になる。心血管系の病気でない死亡者のなかには血圧治療の副作用で死んでいるかも知れないという指摘もある。そういう疑問を解消出来るエビデンスはあるのか。
私は高校生のころ血圧140くらいだった。社会に出てからそして移住して50代半ばまでは120台だった。その後前立腺肥大になりその薬を服用し始めてから血圧が高くなった。以来血圧の薬を服用している。いわゆる高血圧症になったわけである。初めは医師の処方通り服用していたが、薬あるいはその量により足がもたつく、頭がすっきりしない、ときに味覚がおかしくなる。そういう経験から私はひとによりまた年齢や状況により血圧の適正値は異なるのではないかと思うようになった。そして薬でそれを外れると身体に影響が出て来るのではないかと思うようになった。
いま私は大体は血圧160台である。ときに180を超えるときもまれにある。また試したところでは夏には薬を服用しなくても変わらないときがある。だから医師と相談して薬の量は適宜調整しつつ服用している。こういう状況や薬服用の影響があるので、私には血圧がある値より低い方が正常だと一律に定めることに直観的に違和感がある。個人個人で正常だという範囲は異なるのではないかと思っている。そしてそういう説を唱えるひとに共感を持っている。
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屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.274 血圧が気になる季節 (2015.03.23)
No.529 高血圧と逆流性食道炎_減薬あるいは断薬 (2019.07.15)
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