My logbook : 屋久島方丈記 
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  日誌編: No.426  
  2017.10.09  松枯れ_葉が赤褐色になって散る  
 
 
昨年屋久島では松枯れが深刻になっているというニュースが流れていた。わが家の辺りではそんなに目立っていなかったので気にかけていなかった。だが今年夏が過ぎたころからわが家の周辺や散歩する道から見える範囲でも赤褐色になった松の木が目立ってきた。道脇の松の木の下には赤褐色になった葉が散っていた。

散歩道から見えた松枯れした木(黄色の円の中の赤褐色の木)

わが家が移住してきたのは平成7年1月だったが、そのころにも松枯れがひどかったようで家の周辺で多数の松の木が切り倒されていた。それでか当時わが家の窓から海の方を見るとかなり海が近くまで見えていたように思えるが、二十数年経った今は海岸崖上に松が生い茂って海もその枝の上からではかなり遠くの海面しか見えないようになってしまった。いまはまだ葉は青いが、もしまた松枯れ対策で松の木の伐採が行われると展望はよくなるのかも知れない。

松枯れというのは夏~秋にかけて急速に赤褐色に変色して枯れてしまう病気で、マツノザイセンチュウという小型の線虫が松の中に侵入増殖して水を吸い上げる管を圧迫すると弱り枯れるのだそうである。5~7月にかけてマツノマダラカミキリが発生し、松の樹皮を食害するときにマツノマダラカミキリに寄生していたマツノザイセンチュウが松へ侵入する。 松が枯れるとマツノマダラカミキリが松に卵を産んでも卵が松ヤニに巻かれて死ぬことがなくなる。マツノザイセンチュウはマツノマダラカミキリに運搬され増殖できる場所を得る代わりに松を枯らし、マツノマダラカミキリはそれによって自分の卵が守られるというように互いに利用しあう仲のようである。

松枯れ対策としては、マツノマダラカミキリの成虫が発生する前の春先薬剤散布する(マツノマダラカミキリ防除)、マツノマダラカミキリ成虫の発生三か月前より樹幹注入剤を使用しマツノザイセンチュウの増殖を防ぐ(マツノザイセンチュウ増殖阻止)、マツノマダラカミキリ幼虫が羽化する前の秋~春のうちに被害木を伐倒しくん蒸・破砕・焼却などをする(マツノマダラカミキリ拡大防止)の三つがあるらしい。

移住直後わが家周辺で切り倒されていた松の木を見て、私はマツノマダラカミキリ拡大防止のために切り倒されたのかと思っていたが、くん蒸・破砕・焼却などのために運び出されることなく現地に放置されていたので、もしかしたらマツノマダラカミキリが付く前に薬剤散布に代えて青い松を予防的に切ったあとだったのかも知れない。


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