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私は小池百合子氏の手法が体質に合わず、いつも批判的に見ている。アッピールのタイミングが絶妙で実績を上げていなくとも攻めの話題作りで自分を売り出していく技に長けている印象で好みでない。今回の希望の党立ち上げでも自分の思い通りにしたいなら、若狭氏などの進めて来た党設立準備を最後の段になってリセットするなどということをせず、初めから自分が出張ればよいのにという感じである。
選挙前に都民ファーストの会代表に就いて選挙が終わったら代表辞任、今度は希望の党代表になって選挙が終わったらまた代表辞任するのか、あるいは衆議院議員選挙前に都知事を辞任して衆議院議員選挙に出るのか知らないが、マスコミなどに作らせた小池人気を利用して立ち回るあるいは立ち回ろうとしている印象が強い。かなりの都民はいわゆる小池人気につられて都知事に選んだと思われるし、今度も小池人気で希望の党党員多数や小池氏本人も国会議員になるかも知れない。
私は安倍政権については、その外交・防衛に関する姿勢については評価している。国政においては外交・防衛にブレがあっては困るので、私は安倍政権が続いた方がよいと思っている。もし希望の党が政権をとったとしても、保守を標榜しているので外交・防衛に関する姿勢は基本的には安倍政権の方針から逸脱しないと思っている。だから私はそういう観点からは安倍政権でも希望の党政権でもどちらでも変わりないかなとは思っている。
しかしいまの周辺情勢、私としてはそれに備えるため安倍首相は今回衆議院を解散したのではと思っているのだが、それに対応できる即応性とスキルが期待できるかどうか、選挙結果にもよるがその人材面で不安がある。私は民進党その前身の民主党の実績に不安感と不信感を持っているから、もし人材に不足があれば自民党を政権与党に引き入れ外交・防衛を任せるくらいのことはして欲しいし、あるいはあるかも知れない。なにしろ変わり身の早い小池氏のことである。
先般の都議選で小池都知事の与党になった都議会公明党は、知事が都の仕事に専念すると思って都民ファーストの会と連立したのに裏切られたと怒って連立を解消するとの話も聞こえている。都知事選で小池氏を選んだ都民にも裏切られたという思いのひとは多いかも知れない。公明党も都民も小池人気とか小池氏のアッピールに惑わされたのかも知れない。まあ小池氏は最終目標である政権奪取が出来れば言っていたことを裏切らなくなるとは思われるが、そこに至るまでの経過でまだまだ裏切られる人たちは出て来るものと思われる。
小池氏が希望の党立ち上げを発表した9月25日公明党へ送った秋波は功を奏さなかったようである。28日民進党は自党の先行きに望みなしと希望の党への流れ込みを決めたが、希望の党あるいは小池氏は軒を貸して母屋を取られるほどの人数は取り込まないかも知れない。そのためか小池氏は29日には維新の会や名古屋方面にも秋波を送ったようである。そこここにリセットにご用心と言われそうな向きもいるかも知れない。
補足1: 希望の党不振_初めての女性総理の目は消えた
2017.10.23
小池氏の民進党からの合流希望者を選別し一部を排除するという発言に端を発して希望の党の勢いに陰りが出て、二百数十人立候補に対して50人くらいの当選に終わり東京都小選挙区では一人しか当選しなかった。また小池氏の選挙区だったところから出馬の若狭氏は落選した。小池氏の初めての女性総理大臣になりたいという野望はこれで終わったという向きもある。小池氏の手法に不信感を持っている私としてはそうなってほしいと思っている。
(追: 2017.10.27 落選した若狭氏は、次回選挙では自分が設けた年齢制限に引っかかる恐れがあるからと、政界引退を表明したそうである。希望の党をバックアップしていくことに変わりはないそうである。)
補足2: もう一人の総理にしたくない女性
2017.10.23
2015年11月4日夜のBSの番組で、総裁選に出馬できなかったが次期総裁選への出馬に意欲を示していた当時前総務会長の野田聖子氏が、自身の外交政策を問われる中で、中国が進める南シナ海の人工島造成について「直接日本には関係ない。南沙(諸島)で何かあっても、日本は独自路線で対中国の外交に徹するべきだ」自身の安全保障観を披歴するような発言をした。また「南沙の問題を棚上げするぐらいの活発な経済政策とか、お互いの目先のメリットにつながるような2国間交渉をやっていかなければいけない」と言うようなこともあった。
そういう発言を聞いた私は、野田聖子氏の日本が置かれている状況など世界情勢に対する感度や理解そして安全保障観に疑問を持った。女性総理候補だともてはやされ自分もそう思い込んでいるのかも知れないが、総理になる資質に欠けていると思ってしまった。昨今も閣内に入っているが言いたいことは言うと発言していたが、まだ総理になる目はあると思って粋がって自分をアッピールするのが目立つ印象である。
補足3: 小池氏希望の党代表を辞任
2017.11.14
今日見たニュースによれば、小池氏は希望の党代表を辞任する意向を表明したということである。希望の党は民進党勢力に乗っ取られ党内左右勢力による内紛が起こりそうだが、それから距離を置き今後の政治的立場の目を残せるなら残したいということかも知れない。
(関連記事)
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
No.405 都民ファーストの会_小池都知事忖度の会 (2017.05.29)
No.411 都議選の結果を聞いての感想など (2017.07.10)
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