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  たわごと編: No.314  
  2015.11.23 自分の思いが先に立つ_失敗や付け火にご注意  
 
  オバマ大統領の失敗についても触れている「紛争輸出国アメリカの大罪(藤井厳喜・祥伝社新書」という本を読んだ。オバマ大統領の失敗として、例えば世界の警察官をやめるという大失言は中国の海洋進出意欲を高めさせ南支那海問題に繋がっているとか、化学兵器使用はレッドラインと発言しそれが判明しても軍事行動を起こさずその軽率発言と弱腰が今のシリアの混乱に繋がって来ているということなどが挙げられている。

そしてネットか本かTV番組でかは定かに憶えていないのだが、それらの出来事からオバマ大統領の資質について批判しているのを読んだあるいは聞いた記憶がある。大統領の行動にはその弁護士経歴が影響しているのではないかということである。すなわち口先で凌ごうとしたり自分の思い・ストーリーが先にあってそれに添って発言や行動をする傾向があるのではということである。事実を分析しそれを踏まえた発言や行動をするよりは自分の思い・ストーリーで事実を解釈する傾向は弁護士経歴の影響が悪く出たのではないかという見立てである。

オバマ大統領の失敗はそういうことによるのかと思っていたところ、今度は日本の女子生徒の13%が援助交際していると国連の特別報告者が発言して話題になった件についてのネット記事を見かけた。この件については外務省が13%の根拠を示すよう求めたところ、特別報告者は援助交際の規模に関する公式統計は受け取っていないと認めその発言を事実上撤回したということのようである。そしてその援助交際発言事件は日本人の人権派弁護士が仕掛けたのが発端ではないかという憶測が出ていた。

私は前出の記事で大統領が弁護士経歴の影響のせいで自分の思い・ストーリーで事実を解釈する傾向があるのではという指摘がされていたので、弁護士がどうして仕掛けたのかについて興味を持った。記事によると日本人の人権派弁護士の団体が国連の特別報告者という人物にでたらめばなしで火をつけたという疑いがあるようである。人権派弁護士の中には事実を踏まえずそのたぐいの偽情報を国連機関などに売り込み国際社会からの批判のように日本批判をさせてはそれを自分の売名に利用していくという手法をとる輩がいるらしい。従軍慰安婦問題でもそういう弁護士がいたようだし、今回の援助交際発言についても発端は日本人弁護士にあるようである。

私は弁護士はクライアントの利益を守るために、クライアント側の主張に沿ってストーリーを組み立て弁護活動することがほとんどかという風に思っている。普段は事件や係争が起きてからそういう弁護活動をするわけである。自分の問題意識で発掘した問題を提起し活動するというよりは他で起こった問題に引き込まれることがほとんどだと思われる。職業的な社会活運動家もそれに似て自分が問題の当事者ではないのに社会的問題が発生するとその問題に首を突っ込んで活動し始めるわけである。

そして社会的問題については多分弁護士も職業的社会運動家も自分の思想・信条に合わないことを自分から提起したりしないし関わることもほとんどしないのではないかと思われる。弁護士や職業的社会運動家のようなひとたちが自分から社会的問題を提起したり関わったりする場合には、その人物の思想・信条によって社会問題化ストーリーが出来上がってくることになるわけである。なぜ弁護士や職業的社会運動家のそういう活動が目立つかといえば彼らには社会的影響力があるあるいはあると思われているからである。

ストーリーが当たっていれば問題はないが、おかしなストーリーでの活動も出てくる。そのような例は新聞その他のメディアについてはつとに慰安婦報道などで指摘されているが、弁護士や職業的社会運動家のようなひとたちも自分の思いで都合よく情報を解釈あるいは取捨選択し社会問題化しようとすることも出来るわけである。そしてその中には自分に執着して自分の国・日本を貶めてでも自分の利益・売名などを追求する輩が出て来たりするわけである。そういう輩のやり口にいまでも日本が苦しんでいるところがあるので気になってしまったのである。


補足: 自分の思いが先に立つ_もう一つの懸念

最近見たネット記事によれば、アメリカはすでに中国と覇権を分け合う決定をしており、政治的・経済的覇権の棲み分けによる協力関係の形成を水面下で加速させているというはなしがあるらしい。そしてアメリカは中国がアメリカの望むような中国になるように誘導したい。その一環としてオバマ政権は中国にAIIBの設立を提案し、それを引き受ける見返りとして南シナ海における中国の行動の自由を保証した可能性が高く、米中の南シナ海における緊張関係は中国の同意を得た上での見かけ上の演出かも知れないということである。

一方、現在の安倍政権は、アメリカと中国が覇権を巡って鋭く対立していると見て、アメリカがAIIBや南シナ海の進出などにみられる中国主導の活動を押さえ込み中国を既存の国際秩序の枠組みに引き込むことを目標にしているということを前提に、日本・アメリカ・オーストラリア・インドなどが連帯する安全保障のダイアモンド構想で中国封じ込めを図ろうとしている。しかしアメリカが中国の一部覇権を容認しているとすれば、中国と対立している日本が、自分に都合の良い思い込みをしていることが懸念されるということである。ニクソン・キッシンジャーの日本頭越し米中外交正常化の例もある。日本が失敗と言われないようにやって欲しいものである。


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