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  たわごと編: No.293  
  2015.07.13 土地と家について_20年住んで  
 
  私が20数年前購入した土地は、緩やかな傾斜地の山側を削り谷側を埋めた土地である。北側と西側が道に接していて北西のコーナーが道よりやや低くくなっていた。家屋を建てるにあたりその北西コーナーが道と同レベルになるように盛土をした。だから土地としてはそのコーナー以外は道から盛り上がっているかたちになった。その盛土は浄化槽の設置のためにも必要だった。道の側溝の緩やかな傾斜の下方部分に浄化槽排水を流すのだが、地面に埋める浄化槽の排水口と側溝とを結ぶ排水管の側溝側出口に高低差が必要だからである。

また北西のコーナーは道と同レベルだから傾斜した100mくらいの道を雨水が流れて来る。大雨時はその水量が結構なものになる。その対策には家の近くで道を横切るように排水蓋付き横断溝を設置して離れた側溝につないでもらった。盛土とその溝のお陰でわが家の土地は、大部分が周囲より嵩上げされ雨水の流入もほとんど気にしないでよいようになったのだが、これは湿気の面からも効果があった。

地下の岩盤からも高くなっているからか地下水の滲んでくることもない。よく基礎コンクリや外壁などにカビやコケがついている家を見かけるがわが家はそういうことはない。傾斜地では削った側の段差部や削って平らにした部分からよく水が滲みだしているのを見かける。削った傾斜地の山側に当たる段差の下の縁には排水溝を設置すると良いと思われる。わが家では盛土だからか水の滲出と湿気に悩まされていないが、道をトラックのような大きな車が通るとその振動が盛土の高さが大きい側でかなり大きく家屋に伝わってくる。地盤が緩いからと思われるが盛土の負の側面かも知れない。

わが家の土地は主には南側へだが東側への傾斜も加わった緩い傾斜地にある。そして西側の道の反対側は小高い丘状になっている。北側はその丘に連なっているいるから、わが家の西側と北側はそんなに遠くない距離で高台になっている。台風は大体が西寄りの風か東寄りの風が強く吹くのだが、わが家は高台のお陰か西寄りの風による被害はない。いままでに瓦が飛ばされるなどの被害を受けたのはすべて東寄りの風による。東側にも高台のある地形だったらよかったのにとよく思ったものである。

わが家周辺の地形は東側にも傾斜しているので東寄りの風はもろに当たる。引っ越して来たその年にわが家の移住が切っ掛けだったように周辺の土地開発が進み、わが家の周辺の土地は削られ木々も丸裸になってしまった。周辺の木々に防風林効果を期待していたのに、それがなくなったその直後、大型台風が直撃し東寄りの風で瓦とサッシの破損その他の被害を受けてしまった。その後敷地の東側に防風林を植えたのだが、苗みたいな木だったから育って効果が出るまでには年月を要したので、それ以降も台風の東寄りの風で何回か被害を受けた。

いまは当地でいう防風林・敷地の縁の防風用垣根が屋根を超えるくらいに成長し、すぐそばの高圧電線が切断するくらいだった昨年の台風では枝は折れたりしたが家屋に被害はなかった。私の感じでは防風林の高さが屋根を超えてきた頃から被害はなくなってきているようである。強風が木に当たり緩衝されたり乱れたりして瓦を浮かせたりしなくなったからではないかという気がしている。瓦のないコンクリ建てなら問題ないが、私が今後もし瓦屋根の家を建てるとして、例えばわが家の敷地でなら東側には屋根への風当たりを緩和するために防風壁のようなものを設置したいとずっと思ってきた。初めから防風林に囲まれた土地ならば問題ないのだが、そうでなければ木が育つまで待つのでは対策にならないからである。

台風対策の視点からの家屋についてである。移住して初めての台風で家の前の道に駐車していた車のバックミラーが飛来物で破損したので、雨戸のないガラス戸については格子付き小窓以外は対策をしてきた。いまは格子付きの大窓やスイングタイプの窓にはコンパネ防風板を取り付けているのだが、取り付け用に窓枠の横の壁に取り付け用台木を固定設置してある。はめ殺しの窓や玄関などについてはガラスの外側に浮かせて3mm厚のアクリル板を取り付けてある。これからなら合わせガラスがよいかも知れない。雨戸のあるところはこれも移住して初めての台風で戸袋の外板が外れサッシも変形した。いまは外板外れ対策には雨戸引き出し部分の隙間を板で塞いでいるが、戸袋の配置は雨戸引き出し部を強風の当たらない方向、例えばわが家なら西向きになるようにしたほうがよいと思っている。わが家の戸袋は引き出し部がすべて強風の当たる東向きなのがよくなかったようである。

雨対策の視点からの家屋についてである。当地では湿気上がりがないようにということでか床下の地面はベタ基礎と言って全面コンクリ張りが多い。他の家のベタ基礎の施工過程を見たことがあるが、家屋面積一面砂利を敷きその上に立ち上げる土台基礎部分も含め鉄筋を組んでコンクリを流していた。家屋周囲の平らなコンクリの端面の厚さは20cmくらいである。わが家もそのようである。こういう工法では基礎コンクリの縁部分では大雨が降ると地面の土部分が雨水でとろけて砂利が土に潜り込む。砂利の石同士の隙間に土が入り込むのでコンクリとの間に隙間ができる。基礎コンクリの縁部分が浮いてしまうわけである。家屋のコーナー部分でそれが顕著になる。そうすると基礎が沈下してコンクリにひび割れが出たり基礎が傾いたりする。わが家ではそれが原因で家屋のコーナー付近の床が傾斜したりサッシがゆがんだりしている。大雨で土がとろけても影響がないように家屋周縁の基礎は地面下の相当深さまでアイビーム状に深くするなどの工法が望ましい。今後私が家を建てることがあればそういう注文をつけたいと思っている。

屋久島では、梅雨時の湿気は半端でない。私が家屋建築の打ち合わせにやって来たときには持っていたノートに鉛筆で書こうとしたら湿気て紙がへこんで書きづらかった記憶がある。他の季節にも雨が降るなどで湿気の強くなるときはあるが、私の印象では屋久島は乾燥注意報がよく出る。わが家では10月から翌年5月の間は加湿器を待機してある。それでも湿気については気を使っている。家屋が湿気るとシロアリが心配である。5年毎に消毒しているのだが、その業者がサービスで床下点検をしてくれた際、床下への進入口の蓋を開けたら家中にカビの臭いが充満してしまったので、恐ろしくなって床下換気扇を即設置してもらったのだが、シロアリ対策もあるが健康面でも必要かなという気がしている。またわが家では初めてのシロアリ消毒の際床下アクセス部を開口したのだが、今後私が家屋を建築する際はフロアの適当な位置に床下アクセスパネルを初めから設置したいと思っている。

その他で気になっているのは、屋内での臭気対策である。わが家だけのインダラ工事のせいかどうか分からないが、洗面所やキッチンの排水管の床下排水管とのつなぎ部分である。居間の床に寝転んでいると臭気がして気になったことがあって調べまわったら分かったのだが、差し込み式でシールが不十分で浄化槽への排水管から臭いが漏れて来ていた。洗面所やキッチンの排水管の臭気対策トラップは床部より上だから浄化槽側の臭気は防がないわけである。ここから臭気が漏れるということは湿気も上がって来るわけで洗面所やキッチンのシンク下の収納部下部の板が膨らんだりカビたりもしていたわけである。私は配管つなぎ部分をビニールテープでぐるぐる巻にして対策したのだが、家屋引渡し時には水回りのこういうところは十分チェックする必要があるし事前に注文をつけておくことも必要と思われる。

トイレについてだが、わが家のトイレはドアがゴムでシールされていて換気扇は付いていなかった。それで夏期など暑い時期には他の部屋や外部に比べ高温になり蒸れて用足しが苦痛なくらいだった。そこで私は窓用換気扇を設置したのだが、新気導入もその窓からだからトイレ内部に効果は及びにくい。そこでドア下部に穴を開け他室から新気導入することにした。ところが換気扇を止めた夜間や強風が吹き込んだりしたときにトイレの空気が室内に逆流することがある。そこでトイレ内の気圧が室内より高い時には穴が閉まるように紙でチェックバルブを付けた。それでトイレの臭い流入も防いだのだが、トイレの換気も気をつけてチェックしたほうがよい。

臭気については、浄化槽排水管の真空対策開口部からの臭いとかペット臭や玄関の靴の臭いその他、口臭や体臭に似て家臭みたいになって自分たちでは気付かなくなリがちだが、家を空けたあととか風向きや気候条件で20年たったいまでもその不快に気付くときがある。


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