屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編
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No.01  屋久島(1):土地家屋のこと  (H12.05.05)

私が屋久島に住もうと思ったのは土地を見に来て今の土地に案内されたそのときだった。屋久島に到着当日いくつかの土地を見て回った最後の場所が今の土地だった。7月の下旬で空は快晴で澄みわたり展望できる海は青く周囲は緑の雑木林だった。汗たらたらの暑い日だったがそこにたった時のすがすがしさに即購入を決めてしまった。

住んでみるとだんだん土地の良し悪しがわかってきた。屋久島の北側は南側にくらべて風が比較的つよい。冬季は寒くセータ1枚の差がある。南側の中央部は日照時間が比較的多く暖かい農業地帯になっている。しかし冬季は北西のかなり強い季節風が吹き島の南側に住んでいてもそれを直接うければ寒い。だから西側が丘になっていて風を避けるようになっている土地が良い。私の住んでいるのは島の南側中央部の西よりで西と北側が高台である。南と東側がひらけており海が見える。私のところはかなり良い場所だと思う。

季節の変わり目に低気圧が連続してやってくると天候不順が続く。風も台風の弱いのくらいの感じになることがある。低気圧の位置により東よりや西よりの風がふく 台風は早ければ6月から来始め遅ければ11月まで断続的に来る。近くを通ればその風は猛烈だ。そのためか地元の人は東西が高くなっている土地や窪地が良いと言っている。でも要件を満たす土地は少ないから防風林を植えている。私は移住1年目は台風が少なくおだやかに過ごした。2年目に直撃をくらい家に被害を受けた。あわてて防風林を植えた。

初めて屋久島に来て景色にとらわれて高台や見通しの良い土地を求める人が多いが住み始めてから後悔している人もいる。賢明な人は借家住まいで状況を把握しながら土地探しをしているようだ。

私は土地を不動産業者から購入した。別荘地で2区画のうちの一つであった。昔の畑が雑木林になってしまった所をならしてあった。水道電気は引き込み済みであった。土地代は地元の人から直接買うより何倍か高く水道電気の分担金も取られた。不動産業者は地元の人や顧客の一部に高いものを買わせると評判が悪いがしかし私は自分で土地を造成し水道電気を引くことを考えれば納得いくものと思う。 

その一方私は不動産業者には不信を持っている。家を建てる部分に盛り土をしてもらった。これで大丈夫かと言ったら大丈夫と言う。だが引っ越してきてみると雨が降ったときには縁がどんどん削れて流れていく。即盛り土領域を広げ石垣を積んでもらった。大丈夫と言うのも信用ならない。安心して住める状態ではなくただかたちがとりあえずつけばこちらでは大丈夫と言うらしい。仕事の達成基準が低いのは困りものだ。

家の周りを盛り土し石垣を積んだ後1年もしない内に周辺の雑木林を宅地開発し始めた。既存の家への説明は無い。せっかく費用をかけて積んだ石垣をある高さまで埋めさせろなどと言う。開発地内の道はそれなりに広いのに公道への取り付け部が大型の引越し車両が入れない設計である。引越し業者が我が家の敷地へ突っ込ませてくれと言うことがあった。重い車が配水管の上に乗ったら壊れてしまうのでことわった。不動産業者に改善を求めたが小手先であしらわれた。ついに私は自分の金を出しても道路の改修をしてくれるように依頼したがこれも対応が悪い。雑誌にも出ており株式会社を名乗っていてもあまり信用せず購入時には土地の属性をよく確認してプレッシャをかけたほうが良い。

家屋は土地の大工に建ててもらった。見積もりのとき住宅供給公社のデータベースで屋久島の平均単価を調べこのくらいでと言うとそれなら柱は細くなり台風には保証できないと脅す。今は一時のブームが去りまた移住して来た大工もいることから競争しなければならないのでそうでもないようだが相場の折衝が出来ないのがいやだった。しかし何度も来島するわけにも行かないので結局一回こっきりの打ち合わせをしただけでお任せにした。都会の安普請の家より建て付けは悪いしフローリングに傷をつけそれをアロンアルファで埋めたりしているというような品質の悪いところはあるがまあ家の出来についてはそれなりに満足している。

建築途中で気になったのは電気のコンセントの配置である。打ち合わせで図面も渡していたのだがなんとなく独善でやられそうな予感がしたので完成2ヶ月前に実際の配置を報告してもらった。案の定配慮の無い配置だった。人の動線を考えていない。例えば部屋の入り口と並びの押し入れとの間に付けていたりする。TVを反対側のコーナに置いたらケーブルが部屋の真中を這い足を引っ掛けてしまう。と言うようなたぐいの電気を利用する現代生活に思いが及んでいない。何箇所かクレームをつけ直してもらったが今でも気になるところはある。

建築後のケアで気に障ったのは台風のときである。勝手口のひさしが強風であおられその上方の外壁に亀裂が入ってしまった。大工に電話したところコーキングを自分ですればと言う。小さなひさしがあおられて外壁が被害を受けたのに大工としてその品質と自分の技術不足に責任を感じていない。また屋根のコロニアルもはがれて飛ばされた。修理を再三依頼しているのになかなかやってくれない。何週間もたったとき他の家の屋根を修理していたのでその場で頼んだらやっとやってくれた。そのときこれが最後だと捨て台詞のようなことを言った。前のクレームなどで私によい感情を持っていなかったようである。

一般的な印象として当地の業者は顧客より自分の感情を優先しているように見える。また頼んだことを忘れた頃にしに来ることをよく聞く。私の家では部屋の戸が壁の変形で擦れるのでクレーム修理を依頼したら半年くらいかかった。

補足: 支店閉鎖のこと  (H20.11.05)

今日耳に挟んだ情報では、我が家の土地を取り扱った不動産業者が屋久島支店を閉鎖するらしい。現状では従業員の大半を解雇済みで事務員二人だけの体勢、来年3月までで完全閉鎖するようである。開発する土地の入手難あるいは少なくなってきているのがその理由という人もいる。


 
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