昨年人間ドックで、ほとんどのこの年令のひとには見られるとの断り付きだが、脳の周りに少し隙間が見られると言われた。つまりは脳が萎縮し始めているということらしいが、その先がどうなるか気になるところである。私としてはボケて来るかも知れないと気がかりである。指を動かすようなことをやっていると良いようなことをよく聞くが、そのせいか手紡ぎをやっている妻は脳の周りに隙間がなくしっかり詰まっているということである。
私も何かしないといけないと思いネットでよいヒントでもないかと探していたら、たまたま見た記事にハーモニカは吐いたり吸ったりして音をだすので、ハーモニカを吹くと心肺機能の強化につながるとともに唇と指先を使うこともあって物忘れやボケの進行予防に役立つとあった。私は心肺機能に問題があるようなことは言われていないが、物忘れは自覚するところもありもう一つの効用の物忘れやボケの進行予防ということばに引きつけられてしまった。特に高齢者にとっては非常に効果を期待できるとあったからである。
ハーモニカは舌や唇の動きが直接音楽に結び付く。そしてその舌と唇を意識して思い通りに連動させる必要がある。そこにその効用が生まれるようである。また普段の生活では無意識に舌を動かしているが、ハーモニカを吹くときは脳の命令通り意識的に動かさないといけないので言語障害にもなりにくいらしい。これは別の記事で見たのだが、楽器演奏全般について言えるらしいがハーモニカも楽譜を見ながらでもスムーズに吹けるように練習をしていくと脳特に前頭前野が活性化し脳の老化予防になるとあった。
そういう記事を見て、私はハーモニカをまたやってみる気になった。またと言うのは、むかし三十数年前、子どもがバイオリンをやることになって自分もやってみようと試みたが挫折して、ハーモニカなら出来るかもしれないと一本でどんな音でも吹けるらしいとクロマチックハーモニカというのを買ったことがある。やってみて分かったのだが初めに難しい物に飛びついたようである。楽譜は読めない、音痴で楽譜の音程が頭に浮かばない。それでも音符の音を出してはこういう節になるのかと憶えては吹いて練習した。しかし半音のポッチを押すにしても楽譜の音符のどれで押すのか対応がなかなかとれないままだった。結局は挫折した。高校の音楽授業で楽譜を見てドレミと歌う試験では、節がつかないお経のように平坦なってお情けで点をもらったのだが、音楽をする素養はその当時から進歩はなかった。
いまもそれは変わらないが、今度は音楽を楽しむというよりは脳の老化予防ということでまたやってみる気になった。そして複音ハーモニカという一般的なものを買った。C調21穴一本の入門セットで入門楽譜と譜面台が付属しているものである。今は単音(ベースなどの技法なしで単純に音符をなぞるだけの意)で吹いて練習しているところである。いま私が一番上手く吹けるようになったのは楽譜の中では私が好きな曲でもある早春賦である。たどたどしい吹き方だが楽器を演奏する楽しみも少しは感じられる気がしつつある。
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