|
|
小沢一郎氏と石原慎太郎氏を私はあまり好きではない。そのやり方・言い方をかなり前から見てきているが人となりがいまいちの印象で好きになれない。小沢氏については政治思想としてはしっかりしたものがあるという評価があるが、物言いの態度が安定せず国民にものを分からせようという気がない感じが強い。また選挙の人選などから見てくれだけのものでも利用できるものは利用するだけのような感じもある。気に入らないと連絡も取れなくするなどの噂も含め人物としては好きになれない。
石原氏は自分は偉いのだというような態度で自分に都合のいいようにはなしをする感じが強い。私はTV対談で初め強気で出るのだが形勢不利となると相手に同調する方向にはなしを持って行き自分の負けをカムフラージュするのを見たときからあまりよい印象を持っていない。どこかで見た記事にあったが、大衆受けが良い面があるのはひとの望みに敏感に反応する変わり身のよさによる、また本人はそれが自分の自信の無さから来るものだということを知っている、そしてそれを強がりで隠しているという評は多分当たっている。危うい感じがして好きになれない。
そういう二人が勢力奪還を賭けたのが今回の選挙前の合流、その後の分裂などに見る軒を借りて母屋を乗っ取る作戦である。小沢氏は昨年12月の衆議院選挙では生活第一の大敗を見込んで日本未来の党に合流し公示前の62議席から9議席に後退したが、党を乗っ取り生活の党(小沢系の16人)と名を変えた。分裂した新・日本未来の党は国会議員一人となってしまった。小沢氏の今までのやり方から見て予想されたことである。
石原氏の太陽の党を吸収した日本維新の会は改選前の11議席から54議席(うち太陽系は14人で7倍に勢力拡大)を獲得したが、母体の維新系は予想より少なかったようである。石原氏の選挙前の物言いは自分が維新の会を支配しているのだというばかりであったが、果たして国会議員団役員人事は経験者の多い旧太陽の党の関係者が中心に決まって太陽系が国会運営などの主導権を握ったようである。石原氏は目論見通り国会で自分の存在感をアッピールできるようになる。日本未来の党は早々に分裂したが、日本維新の会も太陽系に維新らしい政策を骨抜きにされては存在意義が問われるから早晩本来の維新系と太陽系に分裂するかも知れない。
日本未来の党の嘉田氏は小沢氏に、日本維新の会の橋本氏は石原氏に利用されたということになるのではないかという気がする。こういうことはそれぞれの党が合流する前からメディアなどで予想されていたようであるが、政治家の権力・野心追求のドラマを見ているような印象がある。小沢氏の利用できるものは利用して権力の座にとどまる、石原氏の小異を捨て第三極を超えた第二極を目指すべしという言葉で自分に都合良い合流に誘導して権力の座に復活する。一応その作戦は成功したかに見えるが、二人のその乗っ取り作戦が本当に成功したかどうかはこれからの国会・政局で見えてくる。
補足: 日本維新の会の分党発表
2014.05.29
共同代表の橋本氏と石原氏が分党すると発表した。アメリカ支配からの脱却・自主憲法制定を宿願とする石原氏側勢力と現実政治の改革を図りたい橋本氏側勢力に分かれることになるようである。円満離婚というかたちだが、初めから性格不一致だったというような意味のことを石原氏は言っていたようである。それを承知で互いに利用し合って来たが、ここで破綻したわけである。
(関連記事)
屋久島生活の断片・偏見ご免のたわごと編:
No.189 三人のこと [2005(H17).09.26]
No.239 見ると思い出すこと [2007(H19).03.12]
. |
|
|
|